
それぞれのAI活用、それぞれの経典
2025-02-12
ブータンで「ブッダAI」公開 経典学習、京大教授が開発(Yahoo!ニュース より)
AIが仏教の経典を学習して、人生相談や仏教の教えについての質問に答えてくれる「ブッダAI」の英語版が
ブータンで公開されるとのニュース。
ついに宗教の教えもAIに教わる時代になったのかと、少し驚きましたが、
よく考えてみると、これこそが一番身近で正しいAIの使い方なのかもしれないと思います。
ニュースでは仏教の経典を学習したAIとありましたが、これが企業の哲学やノウハウを学んだAIに置き換われば、
どんな事業体でも役立つAIになることは間違いありません。
もちろん、既に国内の企業でも自社向けにクローズド環境で小規模なAIを展開し、社員教育などに利用しているところもありますし、
NTTやNECでは企業向けに提供するモデルとして「国産LLM」と呼ばれるものを展開し始めています。
NTTの「tsuzumi」などがその一例です。
よく言われるのは、ChatGPTやGemini、GrokのようにアプリやWebブラウザをUIとしたサービスを利用していると、
入力したプロンプトの情報が「学習」され、AIに取り込まれるのではないか、社内情報が流出してしまうのではないかという懸念です。
しかし、この小規模LLMであれば、一社占有できるモデルもあるため、社内機密を保つという点でBtoBには有利ということですね。
さらに、AIの思考プロセスにおけるバイアスも調整できるというメリットもあります。
バイアス調整が可能であれば、より設計者の意図通りにAIをカスタマイズできるため、社員教育にも向いています。
哲学や風土を共有する団体としての「企業」は、ある意味では宗教に近い側面もあります。
その「経典」をAIに尋ねることで答えが得られる環境があれば、企業ガバナンスの負担も軽減し、社員への理念の浸透も効率化できそうですよね。
改めて「身内」でAIを使うことが日常的になる日が近いと実感させられたニュースでした。