コピー機・複合機の選定で最も重要なのは、目に見えるスペックの裏側にある「実務上のコスト」と「信頼性」の把握です。 (1)機能の進化: 現代の複合機はコピー・プリント・FAX・スキャンを統合し、OCRやクラウド連携をこなす「情報の司令塔」です。 (2)契約の構造: リースは完済しても所有権は移らず、再リース料が必要です。また、入れ替え時は「カウンター単価」を市場相場に合わせて引き下げる絶好の好機です。 (3)業務用の真価: 安価な家庭用機との最大の差は、金属パーツを多用した「物理的な耐久性」と、不具合時に現場で修理を完結させる「オンサイト保守」の存在にあります。 昭和62年から培った経験に基づき、失敗しないための「現場の真実」を詳しく紐解きます。
1. コピー機と複合機の違い
あなたのオフィスにも「コピーを取ったりパソコンからプリントしたりする機器」があると思いますが、普段は何と呼んでいますか?一般的には「コピー機」と呼んでいる方が多いと思いますが、中には「複合機」と呼ばれる方もいらっしゃいます。では、この二つにはどのような違いがあるのでしょうか?
【コピー機とは】
本来の「コピー機」は、元となる原稿をスキャナ部分(ガラス台)の上に乗せてボタンを押すと、原稿を読み取って紙に出力する「複写」に特化した機械を指します。
余談ですが、昔はコピーすることを「ゼロックスする」と言ったそうです。この語源は、世界で初めてコピー機を作ったメーカーがゼロックス(Xerox)だったから、という歴史に由来しています。
【複合機とは】
一般的には、コピー・プリンター・FAX(ファクス)・スキャナーの4役を一挙にこなせる機器が「複合機」と呼ばれます。ただし、定義としてはコピー機能の他に一つでも別の機能(例:コピー+プリンターの2役)が付いていれば、複合機と呼ばれたりします。
■ 複合機に備わっている各機能の詳細
・コピー: いわゆる「複写」です。現存する紙原稿を読み取り、同じ内容の複製物を作ることです。
・プリンター: 印刷する機械の総称ですが、現代のオフィスにおいては一般的に「パソコン等のデジタルデータを紙に出力すること」を指します。
・FAX(ファクス): 主に電話回線を用い、読み取った原稿を送信側が「音声信号」に変換して送信。電話回線を伝わって届いた音声信号を受け手側が再び「画像情報」に変換して出力する仕組みです。昨今では、インターネット回線を利用して伝達する「インターネットFAX」も一般的になりました。
・スキャナ: 紙の原稿を読み取って、デジタルデータ(画像等)化することです。文字原稿を読み取り、文字認識をしてテキストデータを作成する「OCR(光学文字認識)」機能も業務改善に大きく貢献します。
これらの多岐にわたる機能は、コピー機がデジタル化されたことにより実現しました。それに伴い、呼び名も単なるコピー機から「(様々な業務がこなせる)複合機」へと変化していったのです。今ではコピー機能単体の機械は市場にほとんど無いため、「コピー機=複合機」と考えて間違いありません。
2. コピー機とプリンターの違い
オフィスに欠かせない「複合機」ですが、俗にこれを「コピー機」とか「プリンター」と呼ぶ人もいます。しかし、人によって呼び方があいまいなこれらの違いをよく理解しておくことで、あなたのオフィスに本当に最適な機器を選ぶことができるはずです。
【複合機とは】
先述の通り、一般的にはコピー・プリンター・FAX・スキャナーの4役を一台でこなす多機能機です。
【プリンターとは】
パソコンで作成した原稿や画像データを紙に出力することに徹した、単一機能の機器を指します。本来の「プリンター」は原稿の読み取り(スキャナ)やFAXの送受信はできません。余談ですが、一般家庭や個人事業主様で使われることの多いインクジェット方式のプリンターにコピーやFAX機能を付けたものは「多機能プリンター」と呼ばれる場合があります。
■ プリンターの印刷方式の種類
・インクジェット方式: インクを微滴化(霧状)して用紙に直接吹きかけます。CDラベルへの直接印刷が可能なモデルもあります。主にご家庭向けで安価かつコンパクトですが、色のにじみや印刷時間の長さがデメリットとなります。ただし、写真のカラー再現は非常に綺麗です。
・レーザー方式: 静電気を帯びたドラム(感光体)にレーザー光を当て、電極を変えることでトナー(粉)を付着させ、熱と圧力で用紙に定着させます。凹凸のある用紙や極端な厚紙は苦手ですが、印刷速度が圧倒的に速く、インクのようににじむ心配もありません。ビジネス文書やパンフレット作成にはこちらが最適です。
・感熱方式: 主にスーパーのレシート等に採用されています。熱を加えると黒く変化する専用紙(感熱紙)に、熱した印字ヘッドを当てて発色させます。カラーは不可。一昔前の家庭用FAXや「ワープロ」の主流でしたが、時間が経つと色が消えてしまう弱点があります。
・熱転写方式: 構造は感熱方式に近いですが、印字ヘッドと用紙の間に「熱で溶けるインクを付着させたリボン」を挟んで転写します。普通紙に印刷可能ですが、インクリボンが高価で印刷速度は遅めです。家庭用FAXやワープロでは、感熱と熱転写の両方に対応した機種が多くありました。
3. 複合機のメリット
様々な機能を一体化した「複合機」を導入・活用する具体的なメリットを深掘りします。
・「印刷」業務を一元化
かつてはコピー、プリンター、FAX、スキャナーを別々に用意する必要がありましたが、今は1台で完結。これにより、機器管理の軽減、オフィスの省スペース化、さらには待機電力の削減という経済的メリットが生まれます。
・ペーパーレス化・省電力でコスト削減
本来は印刷する機器ですが、今は「データ化して管理する」ハブになりつつあります。受信FAXを紙に出さずPCへ転送したり、PC上の原稿を直接FAX送信(PC-FAX)したりすることで、紙代やカウンター料金を大幅に削減できます。
余談ですが、 メーカーや保守会社はペーパーレス化が進むとカウンター料金という「収入」が減るため、これらの便利な機能をあまり積極的に紹介しない傾向があります。しかし、ユーザー様の経営効率を考えれば、これを使わない手はありません。
・クラウドサービス連携で業務改善
Dropbox、OneDrive、Google Drive、iCloud Driveなどの主要クラウドサービスと連携。受信FAXやスキャンデータを即座にクラウドへ保存し、社内で共有できます。外出先のスマートフォンから届いたFAXを確認することも可能なため、「FAXを見るためだけに会社に戻る」必要がなくなります。
■ オプションで多様な業務に対応
・フィニッシャー: 印刷物の仕分け、ホチキス留め(ステープル)を自動化。製本、パンチ穴開け、紙折りができる多機能モデルや、最近では針を使わず用紙を圧縮して留める「ステープルレス」も人気です。
・PostScript: DTPやデザイン業界で標準の言語。Mac環境から正確なフォント、カラー、レイアウトで出力するためには欠かせないオプションです。
・ICカードリーダー: 社員証等をかざすだけでユーザー認証。面倒なID・パスワード入力を省略しつつ、セキュリティを強化。「誰が何枚刷ったか」の使用制限や管理もスムーズに行えます。
4. コピー機の入れ替え・買い替えのメリット
業務用コピー機は、一般的に法定耐用年数の5年に合わせた3年?7年のリースで導入されます。最近では耐久性が上がったため、6?7年契約も増えています。リース満了時の「再リース」ではなく「入れ替え」を選ぶことには、実は大きな経営的メリットがあります。
【ご注意ください!】 リースの支払いが終わっても、所有権はリース会社にあります。完済しても自分のモノにはなりませんし、タダでも使えません。再リースをする場合も、一定の「再リース料」を支払い続ける必要があります。
・高性能な最新機種の導入: 5年前の機種と比べ、今の機種は圧倒的に省エネでスキャン速度も向上しています。FAXをPDF化してメール転送するなど、業務効率が劇的に改善されます。
・故障(ダウンタイム)の低減: 機械である以上、5?6年経てば紙詰まりや重送、印刷不良が増えます。頻繁にサービスマンを呼ぶのは心理的にも負担ですし、修理を待つ「ダウンタイム」は実務を完全に停滞させます。新機にすることで、この心配から解放されます。
・保守契約(カウンター料金)の見直し: これが最大のメリットかもしれません。新たな保守契約を結ぶ際、多くの場合で以前の契約時よりも安いカウンター単価を提示できます。一度結んだ単価を途中で下げるのは非常に難しいため、入れ替え時は絶好の交渉チャンスです。
・リース料金・料率の見直し: 印刷速度を落としてコストを下げたり、会社の経営状況によって「リース料率(レート)」を下げられる場合があります。
【リース料率とは?】 物件購入額に対する毎月支払うリース料の割合(%)です。
例:100万円の複合機をリースする場合……
・料率2.0%の場合:1,000,000円×2.0% = 毎月20,000円支払い
・料率1.8%の場合:1,000,000円×1.8% = 毎月18,000円支払い
この%はリース会社の審査(契約年数や会社の業績)で決まるもので、販売店が操作できるものではありませんが、実績のあるサガスなら最適な条件を模索可能です。
5. インクジェット・個人向けと業務用複合機の違い
昨今、10万円以下で買える多機能プリンターが人気ですが、ビジネスで使うには大きな落とし穴があります。特にインクジェット機は、電源を常に入れて自動ヘッドクリーニングをさせないと「目詰まり」を起こします。このクリーニングには印刷時以上のインクを消費するため、ランニングコストが想像以上にかさむ点に注意が必要です。業務用機はレーザー方式(トナー)のため、目詰まりの心配はなく、にじみも無いため水濡れにも強いのが特徴です。
「こんなことになるなら、ちゃんとした機械を買えばよかった!!」
これは、実売5万円の個人向けレーザー複合機を購入されたお客様の実話です。導入からわずか1年強で故障。「FAXが使えなくなって仕事にならない、今すぐ直しに来てくれ!」とのお電話をいただきました。しかし、その機械は持ち込み修理(センドバック)が基本のモデル。保証も切れており、出張修理を頼むと技術料と出張費だけで3万円を超え、さらに部品代がかかるとお伝えしました。
お客様は、故障の早さと高額な出張費の見積もりに大変驚かれ、「こんなことなら、ちゃんとした機械を最初から買えばよかった……」と、肩を落として電話を切られました。私たちは決して個人向け機を否定したいわけではありません。しかし、利用頻度に見合わない選択をしてしまうと、このような「非常に残念な思い」をさせてしまうことになるのです。
■ 「業務用」という言葉の真意と、メリット・デメリット
業務用機は、プラスチックの厚みから内部の金属パーツ、ローラーの耐久性まで、不特定多数のハードな利用を前提に設計されています。さらに、保守に加入していれば不具合が出る前にパーツ交換や清掃を行う「予防保守」が受けられます。
何より大きな差は「修理体制」です。家庭用は「工場に送る(センドバック)」のが基本で、その間数日間は印刷もFAXも一切できません。対して業務用はサービスマンが駆けつける「オンサイト修理」が常識。保守契約内なら、出張費も技術料も部品代も「無償(タダ)」。ダウンタイムは最短で済みます。
【想像してみてください】
機械が使えない間、あなたは毎回コンビニへ走りますか? 取引先に謝罪し続けますか?
業務効率を下げず、仕事の手を止めない。その「安心」をパッケージにしているのが、真の業務用機なのです。
サガスでは、こうしたカタログには載っていない「現場の真実」を踏まえ、お客様のニーズに最も合致するソリューションをご提案します。迷われたら、ぜひ一度私たちプロにご相談ください。


