
複合機とクラウドサービスの連携を考える
2025-01-15
キヤノン、オフィス向け複合機「imageRUNNER ADVANCE/DX」でPCレス印刷を実現する中小企業向けサービス(IT mediaより)
昨年9月にキヤノンの複合機「imageRUNNER ADVANCE/DX」シリーズ向けに、主要なクラウドストレージサービスに直接接続して、
ファイルのやり取りができる「Cloud Connector」の販売が開始されました。
その名の通り、クラウドサービスにあるファイルを複合機で呼び出して印刷したり、複合機でスキャンしたファイルをクラウドに直接保存したりできるサービスです。
今まで何度かクラウドサービスに社内資料や仕事関連のファイルを保存することについて述べてきましたが、国内の企業の間でもクラウド利用に対する理解が進み、
それまでオンプレのファイルサーバーにしか社内資料を保存できなかった企業でも、クラウドサービスの利用を始めるところが増えてきています。
このサービスの仕組みは、簡単に言ってしまえば、複合機の中に各クラウドサービスのログイン情報(ID/パスワード)またはそれに準じる情報を登録し、
複合機がサービスにログオンしてファイルの保存やダウンロードを行うものです。
通信自体もセキュアな通信を使用しているようなので問題はありませんが、アカウント管理の観点からすると、ログイン情報を複合機1台1台に登録するのは
少し不安ですし、何より手間がかかると感じます。さらに、もし複数の拠点の複合機にこのサービスを登録しようとする場合、
複合機1台ごとにサービス利用料がかかる上、ログイン情報の管理も必要になります。もっと管理が簡潔に済めば、社内担当者の負担も減り、
コスト的にも助かるはずですが…。
そこで紹介したいのが「CloudFax for Google」です。このサービス自体は受信FAXのデータ転送に特化していますが、
応用することでスキャンデータもGoogleドライブへ自動保存できるサービスです。このサービスは複合機からクラウドへのファイル保存に特化していますが、
Eメールの機能を使ってファイル送付を行うため、複合機がクラウドサービスに直接ログインする必要がありません。
また、複数の機器にまたがって設定して利用することもできるので、シンプルで管理が簡潔になります。
上記の「CloudFax for Google」は、クラウドサービスを利用する際のユーザー側の選択肢として、
使い方や環境に合わせた活用が可能です。先進のサービスだけでなく、いかに既存のサービスも合わせて活用することで、
ユーザーのメリットを最大限に活かすか、これは当社がいつも考えていることでもあります。
これからさらに生成AIが進化していく中で、「最先端の技術」と「現場の運用」の間に多少のギャップが生まれるのではないかと思います。
私たちはそのギャップを埋め、ユーザーにとってよりシンプルで便利なものを提供していきたいと改めて考えています。