話題のコラムを読んで|サガス雑記

テレビから話しかけるAI。どんな話になるかしら

2025-01-22

テレビ画面のAIアバターが自分専用のコンシェルジュとしてさまざまな生活サービスを提供「AI Partner」を開発!(SHARP Blog より)

シャープから、テレビ画面の中にAIアバターのコンシェルジュキャラクターがさまざまな生活情報を提供する「AI Partner」というサービスが発表されました。
シャープは以前からAIを研究している部署があり、そちらがサービス提供の形を模索していることは聞いていましたが、
テレビの中のコンシェルジュにするとは思っていませんでした。

シャープといえば、先日、堺工場の売却などでニュースになり、今後の企業動向が注目されていますが、ここに来て「テレビにAI」かい!と思わず突っ込んでしまいました。
パソコンやタブレットでAIチャットを使っている身としては、「わざわざテレビに?」という感想もなくはないです。
ただ、それでも家庭の中心的な映像機器といえば、まだテレビが主流なのかもしれません。そこにAIアバターを導入してさまざまな機能を持たせるのは、
新たな人気商品を生み出す可能性を秘めているのかもしれません。

OpenAIやGoogle、Microsoft、Xなどの無料で使える対話型AIを誰もが試せるようになり、すでに仕事や趣味に取り込んでいる人も多くいる中で、
この「テレビにAIアバター」の意味を考えてみました。すると、ひょっとすると、この時期だからこそ必要なステップなのかな、という考えに至りました。
聞くところによると、ChatGPTやGeminiなどに対してユーザーが質問する際に入力する「プロンプト」(指示や質問を伝える言葉)に対して、
AIがそのすべてを理解していないことがまだ多いようです。もちろん、今のところはユーザー側が「どうやったらその意図をAIが理解するか」を考えて
プロンプトを工夫するほうが自然な感じがします。しかし、ごく一般的なユーザーからすれば「そこもAIが頭いいんだから、ちゃんと理解してよ」と
思うのも無理のない話です。

つまり、まだAIに何をしてほしいか、答えてほしいかを伝える側の準備が十分ではないのかな、ということです。
その点で言えば、今回のこのAIアバターは、AIリテラシーの習得が遅れている層にとっても、馴染みのあるテレビというデバイスを使い、
簡単なチャット形式でAIと接することができるため、入門ステップとして良い取り組みなのではないか、という感想を持ちました。
テレビコンテンツという生活に密着した「題材」があれば、リアルな会話に近い内容を自然と提供できますし、
「ぎこちない会話になりがちな二人の間に自然と話題を振りまいてくれる」といった役割も果たせるのは、テレビならではなのかな、と感じます。

生成AIの使い方には、まだかなり個人差があるようですね。本屋に行くと「ChatGPTの活用方法ベスト10!」といった書籍が平積みされているのを見て、
「黎明期感があるなぁ」と感じる一方で、これから一気に状況が変わり、近い将来には「AIを仕事で使う」ということが「技術」ではなく「習慣」に
なるのだろうな、と感じました。