- 「できる限りきれいにスキャンしたい」と、600dpiなどの高い解像度でスキャンしたくなる方もいます。ただ、データがとても重くなるので、本当に必要な解像度で使うようにご案内しています。
- 初期設定では200dpiになっていることが多く、書類としては十分な解像度だと思います。写真をスキャンして商品やサービスに使う場合などは、1200dpiなどに対応した専用のフラットベッドスキャナを使うことも検討してください。
- 書類であれば、PDFのほうが圧縮率もよく、取り扱いもしやすいので、そちらをおすすめしています。
複合機でスキャンしようとすると、解像度やファイル形式など、いくつもの設定項目が出てきます。「どれを選べばいいのかわからない」「せっかくなら一番きれいな設定にしておこう」。そう考える方も多いのではないでしょうか。 私たちは秋葉原の複合機専門店として、業界で40年近く、スキャンの使い方のご相談に対応してきました。スキャンを重視される方の中には、私たち以上に詳しい方も多くいらっしゃいます。一方で、これからスキャンを使い始める方には、「きれいすぎる設定」でかえって困ってしまう方もいます。 このコラムでは、スキャンの解像度とファイル形式の選び方を、書類と写真に分けてお伝えします。
1. 解像度(dpi)とは何か
スキャンの解像度は「dpi」という単位で表され、数字が大きいほど細かく読み取ります。ただし、そのぶんデータは重くなります。 dpiは、1インチ(約2.5cm)の中を、いくつの点に分けて読み取るかを表す数字です。200dpiなら1インチを200の点に、600dpiなら600の点に分けて読み取ります。数字が大きいほど、細かいところまで読み取れます。
ただし、読み取る点の数が増えるということは、それだけデータの量も増えるということです。解像度を上げると、画像はきれいになる一方で、ファイルは重くなり、保存や送信に時間がかかるようになります。きれいさと重さは、引き換えの関係にあるのです。
2. 600dpiにしたくなる気持ちと、データの重さ
これからスキャンを使おうという方の中には、「できる限りきれいにスキャンしたい」と、600dpiなどでスキャンしたがる方もいます。ただ、データがとても重くなるので、本当に必要な解像度で使うようにご案内しています。 せっかくデータにするなら、きれいなほうがいい。そう考えるのは自然なことです。ところが、書類を600dpiでスキャンすると、ファイルの大きさは200dpiのときよりずっと大きくなります。
データが重くなると、次のようなことが起きます。
- メールに添付しようとしたら、容量の上限を超えて送れない
- 保存先のフォルダやクラウドの容量を、すぐに使い切ってしまう
- ファイルを開くのに時間がかかる
- スキャンそのものに時間がかかる
見た目の違いはほとんどわからないのに、重さだけが何倍にもなる。それでは、きれいにした意味があまりありません。スキャンをメールで送る場合の注意点は共有フォルダにスキャンできなくなった原因でも触れています。
3. 書類なら、200dpiで十分
複合機の初期設定では、だいたい200dpiになっています。書類としては、これで十分な解像度だと思います。 請求書や契約書、社内の書類など、文字や表が中心の書類であれば、200dpiでも文字ははっきり読めます。画面で見ても、印刷し直しても、仕事で使うには困りません。
迷ったら、まずは初期設定のままでスキャンしてみてください。それで文字が読みにくいと感じたときに、はじめて解像度を上げることを考えれば十分です。たとえば、とても小さな文字が書かれた書類など、どうしても読み取りにくいものだけ、解像度を上げるという使い分けがおすすめです。
4. 写真を商品やサービスに使うなら、専用のスキャナも
写真をスキャンして、商品やサービスに使う場合などは、1200dpiなどに対応した専用のフラットベッドスキャナを使うことも検討するようにお伝えしています。 複合機のスキャンは、書類をたくさん、速くデータにすることが得意です。一方で、写真を高い画質で取り込みたい場合は、写真の読み取りに向いた専用のスキャナのほうが、目的に合っていることがあります。
フラットベッドスキャナは、ガラス面に原稿を置いて読み取るタイプのスキャナです。高い解像度に対応した機種なら、写真の細かいところまで取り込めます。商品の写真をカタログやホームページに使う、古い写真をきれいに残すといった目的なら、複合機とは別に用意することも考えてみてください。スキャンを重視した複合機選びについてはスキャン特化型複合機とは?もあわせてご覧ください。
5. 書類のファイル形式は、PDFがおすすめ
書類であれば、PDFのほうが圧縮率もよく、取り扱いもしやすいので、PDFをおすすめしています。 スキャンのファイル形式には、PDFのほかに、JPEGなどの画像の形式もあります。JPEGは写真によく使われる形式で、1枚の画像として保存されます。
書類をスキャンする場合は、PDFのほうが便利なことが多くあります。
- 何枚もある書類を、1つのファイルにまとめられる
- 圧縮率がよく、ファイルを軽くしやすい
- パソコンでもスマホでも開きやすく、取引先とのやり取りにも使いやすい
スキャンしたPDFを、あとから文字で検索できるようにする方法もあります。ペーパーレス化の進め方は複合機でペーパーレス化を進めるには?で、スキャンしたファイルの整理のしかたはスキャンしたファイル名、AIに付けてもらえるのか?でご紹介しています。
結論: きれいさより、目的に合った設定を
スキャンの解像度は、上げればきれいになりますが、そのぶんデータはとても重くなります。書類なら、初期設定に多い200dpiで十分です。迷ったら初期設定のままで、読みにくいものだけ解像度を上げましょう。ファイル形式は、書類ならPDFがおすすめです。
そして、写真を商品やサービスに使うなど、高い画質が必要な場合は、専用のフラットベッドスキャナも検討してください。きれいさを追うより、何のためにスキャンするのかに合わせて設定を選ぶことが、スキャンを快適に使うコツです。
スキャンの解像度と形式に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 書類をスキャンするとき、解像度はどのくらいがいいですか?
複合機の初期設定ではだいたい200dpiになっていて、書類としては十分な解像度だと思います。迷ったら初期設定のままでスキャンし、文字が読みにくいものだけ解像度を上げるのがおすすめです。
Q2. 600dpiでスキャンしたほうが、きれいでいいのではないですか?
きれいにはなりますが、データがとても重くなります。メールで送れない、保存先の容量を使い切る、開くのに時間がかかる、といったことが起きやすくなるので、本当に必要な解像度で使うようにしましょう。
Q3. 写真をきれいにスキャンしたい場合は、どうすればいいですか?
写真をスキャンして商品やサービスに使う場合などは、1200dpiなどに対応した専用のフラットベッドスキャナを使うことも検討してください。複合機のスキャンは、書類をたくさん速くデータにすることが得意です。
Q4. スキャンのファイル形式は、PDFとJPEGのどちらがいいですか?
書類であれば、PDFのほうが圧縮率もよく、取り扱いもしやすいのでおすすめです。何枚もある書類を1つのファイルにまとめられ、パソコンでもスマホでも開きやすいという利点もあります。
Q5. スキャンしたファイルが重くて、メールで送れません。
解像度を高く設定していないかを確かめてください。書類なら200dpi程度で十分なことが多く、解像度を下げるだけでファイルは軽くなります。ファイル形式もPDFにすると、軽くしやすくなります。

