- デザイン会社が複合機にいちばん求めるのは印刷の画質です。解像度1200dpi以上、PostScript対応の機種をおすすめしています。ただし、カンプしか出さない会社など、そこまで求めない会社もあります。
- 色味はメーカーや機種によってトナーも印刷の仕組みも違うため、好みが分かれます。調整はできる限り行いますが、複合機で調整できる幅には限りがあります。
- だからこそ、導入前のテストプリントが大切です(無料のことが多い)。色に細かくこだわるなら、費用がかかってもプリントサーバーの設置をおすすめします。
「画面ではこの色なのに、印刷すると違う色になる」。デザインの仕事をしている方なら、一度は感じたことのある悩みだと思います。デザイン会社にとって、複合機の印刷の画質は、仕事の質に直結します。 私たちは秋葉原の複合機専門店として、業界で40年近く、デザイン会社や広告制作会社にも複合機を納めてきました。色の悩みには、複合機で解決できることと、できないことがあります。 このコラムでは、デザイン会社が複合機を選ぶときに見るべき条件と、色の違いが起きる理由、そして導入前に必ずしておきたい確認についてお伝えします。
1. いちばん求められるのは、印刷の画質
デザイン会社が複合機にいちばん求めるのは、印刷の画質です。ご相談をいただいたときは、解像度が1200dpi以上の機種と、PostScriptへの対応をおすすめしています。 デザインの仕事では、細い線や小さな文字、写真のグラデーションなど、印刷の細かさがそのまま見え方に表れます。そのため、私たちは解像度が1200dpi以上の機種をおすすめしています。
あわせておすすめしているのが、PostScriptへの対応です。デザインのソフトで作ったデータを、意図したとおりに印刷するための仕組みで、デザインや図面を扱う会社では大切な条件になります。詳しくはPostScript対応複合機のコラムでご説明しています。
2. ただし、求めるレベルは会社によって違う
デザイン会社でも、カンプ(完成イメージの確認用の見本)しか出さない会社や、成果物の印刷はほかの手段で行う会社では、複合機にそこまでの画質を求めないこともあります。 デザイン会社だから、必ず最高の画質が必要、というわけではありません。社内の複合機では打ち合わせ用のカンプだけを出し、本番の印刷物は印刷会社に頼む。こうした会社では、複合機に求める画質は、意外とそこまで高くないこともあります。
大切なのは、複合機で何を印刷するのかをはっきりさせることです。最終の成果物まで社内で刷るのか、確認用の見本だけなのか。それによって、選ぶべき機種も、かけるべき費用も変わります。社内で刷るか外に頼むかの考え方はオンデマンド印刷とオフセット印刷の違いもあわせてご覧ください。
3. 画面と印刷で色が違うのは、なぜか
色味の問題は、実際によくあります。メーカーや機種によって、使っているトナーも印刷の仕組み(印刷エンジン)も違うため、出てくる色にも違いがあり、好みが分かれるところです。 同じデータを印刷しても、メーカーや機種が変われば、色の出方は変わります。トナーの成分や、紙にトナーをのせる仕組みがそれぞれ違うからです。ある機種の色を「鮮やかでいい」と感じる人もいれば、「派手すぎる」と感じる人もいます。どれが正しいというより、好みが分かれるものです。
色を合わせる考え方や仕組みについてはコピー機とカラーマネジメントで詳しくご説明しています。
4. 複合機で調整できる幅には、限りがある
色についてご相談があれば、エンジニアと相談して、できる限りの調整を行います。ただし、プリントサーバーを立てたプリンターほどの調整の幅はありません。 導入後に「思っていた色と違う」というご相談をいただくこともあります。その場合は、エンジニアと相談しながら、できる範囲で色を調整します。
ただ、正直にお伝えすると、複合機で調整できる幅には限りがあります。色を細かく管理するための専用のプリントサーバーを立てたプリンターであれば、色をきめ細かく合わせることができますが、一般的な複合機ではそこまでの調整はできません。お客様の思い込みと実際の印刷物にずれがあり、調整ではすべては埋められない、ということも起こります。
そのため、色に細かくこだわる方には、費用が高くなってもプリントサーバーの設置をおすすめしています。
5. だから、導入前のテストプリントが大切
調整できる幅に限りがあるからこそ、導入の前にテストプリントをして、実際の色を確かめておくことが大切です。テストプリントは無料のことが多いので、ぜひご相談ください。 導入してから「色が違う」と気づいても、調整で埋められる差には限りがあります。だからこそ、導入する前に、実際の仕事のデータでテストプリントをしてみるのがいちばん確実です。
テストプリントでは、ふだん使っているデザインのデータや、色に特にこだわる作品を印刷して、画面の色との違いや、細かい部分の出方を確かめてください。テストプリントは無料で対応できることが多いので、遠慮なくご依頼ください。サガスの秋葉原のショールームでも、複数のメーカーの機種で実際の色を見比べていただけます。ショールームで試したいことは複合機のデモ・ショールームで試すべき7項目にまとめています。
6. 求めるレベル別、選び方の早見表
| 印刷の使い方 | おすすめ |
|---|---|
| カンプや確認用の見本だけ。本番は外部で印刷 | 一般的なカラー複合機で十分なことも。テストプリントで確認 |
| 社内で画質の高い印刷物を出す | 1200dpi以上、PostScript対応の機種。テストプリントで色を確認 |
| 色を細かく合わせたい、色にとことんこだわる | プリントサーバーの設置を検討(費用は高くなる) |
結論: 色は、調整より事前の確認で決まる
デザイン会社の複合機選びでは、解像度1200dpi以上とPostScript対応が基本の目安です。ただし、カンプしか出さないなど、求める画質のレベルは会社によって違います。まずは、複合機で何を印刷するのかをはっきりさせてください。
そして、色の好みはメーカーや機種で分かれ、複合機で調整できる幅には限りがあります。だからこそ、導入の前に実際のデータでテストプリントをして、色を確かめること。色にとことんこだわるなら、プリントサーバーという選択肢もあります。導入してから後悔しないために、事前の確認を大切にしてください。
デザイン会社の複合機選びに関するよくある質問(FAQ)
Q1. デザイン会社には、どんな複合機がおすすめですか?
印刷の画質を重視して、解像度が1200dpi以上の機種と、PostScriptに対応した機種をおすすめしています。ただし、カンプや確認用の見本しか出さない会社では、そこまで求めないこともあります。複合機で何を印刷するかに合わせて選んでください。
Q2. 画面で見た色と、印刷した色が違うのはなぜですか?
メーカーや機種によって、使っているトナーも印刷の仕組みも違うため、出てくる色に違いがあるからです。どれが正しいというより、好みが分かれるところです。導入の前にテストプリントをして、実際の色を確かめておくことをおすすめします。
Q3. 複合機で、印刷の色は調整できますか?
ある程度は調整できます。ご相談があれば、エンジニアと相談してできる限り調整します。ただし、プリントサーバーを立てたプリンターほどの調整の幅はありません。色に細かくこだわる場合は、費用は高くなりますが、プリントサーバーの設置を検討してください。
Q4. 導入前にテストプリントはできますか?
できます。テストプリントは無料で対応できることが多いので、ぜひご相談ください。ふだん使っているデザインのデータや、色に特にこだわる作品で試すと、導入後のずれを防げます。サガスの秋葉原ショールームでも、複数の機種で色を見比べていただけます。
Q5. PostScriptには対応したほうがいいですか?
デザインのソフトで作ったデータを意図したとおりに印刷したい会社には、おすすめします。デザインや図面を扱う会社では大切な条件です。カンプしか出さないなど、印刷の用途が限られている場合は、必要かどうかを販売店と相談して決めてください。

