(1)国内シェアは「3強」:リコー・キヤノン・富士フイルムの3社が大きなシェアを持ち、シャープ・コニカミノルタ・京セラ・東芝テックが続く構図です。
(2)業界は再編の時代へ:リコーと東芝テックは開発・生産を統合(ETRIA)、富士フイルムBIとコニカミノルタは部品調達の合弁会社を設立。メーカー同士の手組みが進んでいます。
(3)選ぶときはシェアより使い方:シェアの高さはサポート網の広さの目安になりますが、どのメーカーも性能は高水準。最後は自社の使い方に合うかで選ぶのがおすすめです。
複合機メーカーの国内シェアは?3強の構図と業界再編を解説
公開日:更新日:
1. 複合機の国内シェアと勢力図
日本の業務用複合機は、リコー・キヤノン・富士フイルム(旧・富士ゼロックス)の「3強」が長く大きなシェアを占めてきました。3社とも全国に保守の拠点を持ち、その安心感がシェアの高さにつながっています。
これに続くのが、コンビニエンスストアのマルチコピー機でもおなじみのシャープ、デザインや操作性に定評のあるコニカミノルタ、長寿命部品でランニングコストを抑える京セラ、クラウドや環境配慮に強い東芝テックです。
【参考:国内メーカー別シェア(2016年データ)】
- 第1位:リコー 23.7%
- 第2位:キヤノン 23.5%
- 第3位:富士フイルム(当時・富士ゼロックス) 22.8%
- 第4位:シャープ 8.6%
- 第5位:コニカミノルタ 6.7%
上位3社で約7割。この「3強+追う4社」という構図は、現在も大きくは変わっていません。
メーカー別の国内シェアは、毎年決まった形で公表されている統計がありません。インターネット上の「最新シェア」には、出典のない推定値や、複合機以外の事業の売上まで含めた数字も混ざっています。順位の細かな上下よりも、「どのメーカーが全国に保守網を持っているか」という目安として見るのがおすすめです。
2. いま進んでいる業界再編
ペーパーレス化の流れで、国内の複合機の出荷台数は、ピーク時の65万台超から、2024年は約45万台の見通しまで減ってきました。台数が減るなかで、メーカー各社は「1社で全部つくる」から「手を組んでコストを下げる」方向へ動いています。
● リコー×東芝テック:開発・生産を統合した「ETRIA(エトリア)」
2024年7月、リコーと東芝テックは複合機の開発・生産を担う合弁会社「ETRIA」を設立しました。エンジン(印刷の心臓部)や部品の共通化、生産拠点の相互活用を進めています。2025年10月にはOKIもプリンターの開発・生産をETRIAに移して参加しました。
● 富士フイルムBI×コニカミノルタ:部品調達の合弁会社
富士フイルムビジネスイノベーションとコニカミノルタは、複合機の原材料・部品の調達を共同で行う合弁会社「グローバルプロキュアメントパートナーズ」を2025年1月に設立しました。調達をまとめることで、コストの削減と部品の安定確保をねらっています。
● 各社は「機械を売る」から「仕事を助ける」へ
メーカー各社は、クラウドでの文書管理やAIを使ったデータ入力の自動化など、複合機を入り口にしたサービスに力を入れています。複合機は「紙を出す機械」から、「紙をデータにする入り口」へと役割が変わりつつあります。
再編が進んでも、それぞれのメーカー名での販売や保守は続いています。今お使いの複合機が急に使えなくなる、ということはありません。ただ、メーカーをまたいで中身の共通化が進むほど、「どのメーカーか」よりも「どの販売店から、どんな保守条件で入れるか」の差が大きくなっていきます。
3. 主要7社のポジション早見表
各社の立ち位置をひと目でまとめました。特徴や向いている使い方は、メーカー名のリンクから詳しくご覧いただけます。
4. シェアより大事な「印刷速度」の選び方
メーカー選びと同じくらい大切なのが、印刷速度(1分間に何枚刷れるか)の選び方です。月の印刷枚数から目安を確認すると、検討すべき機種のクラスが自然と決まります。
| 月の想定印刷枚数 | 〜1,000枚 | 1,000〜3,000枚 | 3,000〜6,000枚 | 6,000〜1万枚 | 1万〜3万枚 |
|---|---|---|---|---|---|
| 推奨される印刷速度 | 15枚/分機 | 20枚/分機 | 30枚/分機 | 40枚/分機 | 50枚/分機 |
速度が足りないと印刷待ちが増え、逆に大きすぎる機械は本体代や設置スペースのむだになります。今の機械の月の印刷枚数は、保守の請求書やカウンターの数字から確認できます。
