国内の複合機選びでは、以下の3つのグループ特性を理解することが重要です。 (1)大手3社(リコー・キヤノン・富士フイルム): 圧倒的な市場シェアと国内最多級の保守拠点を持ち、画質・信頼性ともに最高水準。迷ったらこの3社から選ぶのが王道です。 (2)コスパ重視(シャープ・京セラ): 本体価格やカウンター料金を低く抑えられ、起動の速さやドラムの耐久性に強みを持ちます。 (3)独自機能(コニカミノルタ・東芝・ムラテック): デザイン性や特殊用紙対応、消せるトナーなど、特定の業務ニーズに特化した強みを持ちます。 シェアの高さは「サポートの安心感」に直結します。利用ボリュームと求める品質のバランスを見極めましょう。
1. コピー機・複合機メーカーの特徴と比較
まずは、月間の想定印刷枚数から適切な「印刷速度」の目安を確認しましょう。これを把握することで、検討すべき機種のクラスが自然と決まります。
| 月の想定印刷枚数 | 〜1,000枚 | 1,000〜3,000枚 | 3,000〜6,000枚 | 6,000〜1万枚 | 1万〜3万枚 |
|---|---|---|---|---|---|
| 推奨される印刷速度 | 15枚/分機 | 20枚/分機 | 30枚/分機 | 40枚/分機 | 50枚/分機 |
● リコー(RICOH)
主に中小企業から絶大な支持を得ている国内最大手の一角です。最大の特徴は、富士フイルムやキヤノンと比較しても圧倒的に多い「保守拠点の数」です。地方都市や郊外でも迅速なサービスが受けられる安心感があります。また、操作パネルでの分かりやすいトラブルガイダンスや、トナー管理の自動レポート機能など、ユーザーフレンドリーな工夫が随所に凝らされています。
主力は『MPシリーズ』および最新のクラウド連携を強化した『IMシリーズ』です。
● キヤノン(Canon)
カメラ・映像機器で培った光学技術を活かした「印刷の美しさ」に定評があります。細い線の再現性が高く、設計事務所のCAD図面やデザイン確認用として高く評価されています。国内200箇所以上のサービス拠点を持ち、保守品質も非常に安定しています。
主力は『iR-ADVシリーズ』で、高速スキャンと高度なデータ共有・クラウド連携を誇る『iR-ADV DXシリーズ』が人気です。
● 富士フイルム(FUJIFILM)※旧富士ゼロックス
2021年4月に社名変更されましたが、その卓越した画質とブランド力は健在です。「カラー印刷にこだわるなら富士フイルム」と言われるほど色彩再現能力が高く、原稿のクオリティを落とさずに忠実な出力を提供します。本体の堅牢性(耐久性)もトップクラスで、国内260箇所以上の強固なサポート網も魅力です。
主力は豊富なラインナップを誇る『Apeosシリーズ』です。
● シャープ(SHARP)
コンビニエンスストア(ローソン、ファミリーマート等)での採用実績が示す通り、本体価格の安さと起動(立ち上がり)の速さ、そして抜群の操作性が特徴です。スマホ感覚で扱えるタッチパネルは誰でも直感的に操作できます。ランニングコスト(保守費用)も比較的安く、コストパフォーマンス重視のスモールオフィスに最適です。
主力は『MXシリーズ』。コンパクトな設計も魅力の一つです。
● コニカミノルタ(KONICA MINOLTA)
美しさと使いやすさを追求したデザインが特徴で、グッドデザイン賞の常連でもあります。特殊な印刷設定や長尺印刷などの柔軟なニーズに対応。給紙機構が非常にしっかりしており、紙詰まりトラブルが少ないことでも知られています。IoTデバイスとしての機能も充実しています。
主力は『bizhubシリーズ』。IT連携を重視した『bizhub iシリーズ』も展開しています。
● 京セラ(KYOCERA)
最大の武器は「カウンター料金の安さ」と、心臓部であるドラムの圧倒的な耐久性です。自社開発の高硬度素材「PSLP」を採用したドラムは摩耗に強く、故障のリスクを極限まで低減しています。大型パネルにアニメーションで操作手順が表示されるなど、メンテナンスのしやすさも好評です。
主力は『TASKalfaシリーズ』。FAX機能はオプション構成が基本です。
● 東芝(TOSHIBA TEC)
特殊用紙への対応力に優れ、店舗のPOPやポスターの内製化に強いメーカーです。特に、書いた文字を消して紙を再利用できる『Loopsシリーズ』は、環境意識の高い企業やコピー用紙代を劇的に減らしたい拠点に独自の価値を提供しています。
主力は『e-STUDIOシリーズ』です。
● ムラテック(Muratec)
工作機械の名門であり、複合機分野では丁寧なアフターフォローが根強い人気を誇ります。土曜日も電話・訪問保守に対応する体制は、学校や年中無休の医療機関、店舗にとって非常に心強い存在です。中身はコニカミノルタのOEM供給を受けており、画質・耐久性ともに定評があります。
【メーカー別・性能&コスト比較まとめ】
| 比較項目 | 富士フイルム | リコー | キヤノン | コニカミノルタ | シャープ | 京セラ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な強み | 画質・耐久性 | 保守網・安定 | 画質・保守質 | デザイン・給紙 | 安さ・起動速 | 低単価・高耐久 |
| 月額リース(5年) | 1.5万円〜 | 1.3万円〜 | 1.5万円〜 | 1.4万円〜 | 1.2万円〜 | 1.1万円〜 |
| モノクロ単価 | 1.5円前後 | 1.5円前後 | 1.5円前後 | 1.5円前後 | 1.2円前後 | 1.0円前後 |
【プロが格付け!総合満足度評価】
| 評価項目 | 富士フイルム | リコー | キヤノン | シャープ | 京セラ |
|---|---|---|---|---|---|
| 本体の安さ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
| カウンター料金安さ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
| 耐久性の高さ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ |
| 保守の速さ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
| 色写りの綺麗さ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
※上記評価は市場動向に基づく当社独自の分析イメージです。詳細はお問い合わせください。
2. コピー機/複合機 国内市場シェア
日本の複合機市場は、リコー、キヤノン、富士フイルムの「3強」が圧倒的なシェアを占めています。この3社だけで国内シェアの約7割をカバーしており、保守体制の充実度がそのままシェアの高さに繋がっています。シャープはコンビニエンスストア(セブン-イレブンを除く大手)への導入が強力な下支えとなり、シェア4位を維持しています。
【参考:国内メーカー別シェア推移(2016年データ)】
- 第1位:リコー ・・・・・・・ 23.7%
- 第2位:キヤノン ・・・・・・ 23.5%
- 第3位:富士フイルム ・・・・ 22.8%
- 第4位:シャープ ・・・・・・ 8.6%
- 第5位:コニカミノルタ ・・・ 6.7%
この他、京セラ、東芝、ムラテック等が続きます。上位3社の寡占状態は続いており、導入後の「止まらない安心」を求めるユーザーの多くがこれら大手を選択する傾向にあります。








