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PostScriptとは。PSは必要か、サンプル比較でわかったこと|サガスECショップ

【この記事の結論:PostScriptは「必要な人」と「不要な人」がはっきり分かれます】

PostScript(PS)とはAdobe社が開発した「印刷のための言語」で、パソコンからプリンターへ図形・文字・画像の描き方を伝える命令の集まりです。 (1)Adobe Illustrator・Photoshop で作るデザイン業務、(2)Mac環境での印刷、(3)精密な組版が必要なDTP・設計用途では PS対応の複合機がほぼ必須です。 一方、一般的な事務文書(Word・Excel・PDFの印刷)では PS非対応機でも十分であり、ライセンス料の分だけコスト高になることがあります。本記事はサンプル比較を交えて、PSの仕組みと「自社に必要かどうか」を判断できるよう整理しています。

PostScriptが必要な人・不要な人の判断早見表

結論を先に示すと、PostScriptが必要なのは「デザイン・設計・DTP業務」と「Mac環境での精密印刷」、不要なのは「一般事務(Word・Excel・PDF印刷中心)」です。下の表は、用途別の必要度と理由を整理したもの。導入前に「自社のどの業務がどこに当てはまるか」を確認してください。

用途・職種 PS必要度 理由
グラフィックデザイナー・DTPオペレーター 必須 Illustrator・InDesignのPS出力前提で制作、フォント・組版の正確な再現
建築設計・CAD図面作成 必須 細線・寸法線・小さな文字を拡大縮小しても劣化なく再現
Macメインでデザインを社内印刷する企業 必須 Mac標準のPS出力をそのまま受け取れる、フォント崩れがない
広告代理店・印刷会社の校正出力 推奨 本番印刷機との互換性、機種をまたいでも同じ結果が出る
不動産・士業のマイソク・契約書印刷 不要 Word・PDF中心で標準言語(PCL)でも十分な品質
一般オフィス事務(Word・Excel・PDF) 不要 標準言語で十分、ライセンス料の差額が無駄になる

1. PostScriptとは

PostScriptはAdobe社が開発したページ記述言語(PDL)で、パソコンからプリンターへ「ページのどこに、何を、どう描くか」を伝える命令の集まり。PDFの基礎技術でもあります。PostScriptとは、Adobe Systemsが開発したページ記述言語(PDL)の一種で、プリンターや画像処理装置などの出力機器で使用されています。
文書やグラフィックを高品質に印刷するために設計されたため、グラフィックスやテキストの描画に強みを持っています。

簡単に言うと、パソコンで編集した原稿を、プリンターや複合機で出力する際に、パソコンからプリンターに送る信号(命令)です。
「ページの、あの位置に、この色で丸を書いて、その隣にこの文字を書いて・・・」といった感じでしょうか。

特徴は、デバイスに依存しない拡張性が高い簡潔な構文となっており、メーカーや機種を問わず同じ言語を使用することができるため、データのやり取りや共有にも適しています。
また、PostScriptは、Adobeが開発したPDF(Portable Document Format)のベースとなっており、高品質な印刷物の作成には欠かせない技術のひとつです。

2. PostScript対応のコピー機・複合機が必要な方とは

Adobe Illustrator や Photoshop を業務で使うデザイナー・設計士の方が「画面どおりの仕上がり」で印刷するには、PS対応のコピー機・複合機がほぼ必須です。

●デザイナー・設計士の方

デザイン関係の仕事をしている方は、Adobe社製のillustratorやPhotoshopを使用している方が多いと思いますが
こちらのアプリではページ記述言語としてpostScript(PS)が採用されている為、PS対応のコピー機・複合機でないとイメージ通りの印刷が出来ない場合があります。
PostScript(PS)で出力する場合は、コピー機・複合機がPS対応していればどんな機種でも同じようにプリント出力する事ができます。

3. デザイナーや設計士の方へPostScript搭載の機器をすすめる理由

PostScript搭載機をおすすめする理由は7つあります。ベクター形式・フォント品質・組版精度・クロスプラットフォーム互換性・ファイルサイズ・機種非依存性・標準規格化です。PostScriptは、高品質な印刷物を作成するためのプロフェッショナルなツールとして知られています。
PostScriptを使用することで、緻密な線画や精密なテキストを含むデザインを正確に再現することができます。
デザイナーや設計士の方にPostScript搭載のプリンターや複合機をおすすめするには下記の様な理由があります。

ベクター形式での出力
PostScriptは、画像や文字をベクター形式で扱うことができます。これにより、拡大・縮小しても画像が荒れたり文字がぼやけたりすることがなく、綺麗に印刷することができます。
ベクター形式とは、コンピュータ上で作成された画像やグラフィックスを、ベクトルデータとして保存することです。
画像が図形、線、点、曲線などの数学的な式や座標情報で表現されます。そのため、拡大・縮小しても画像が荒れたり、ぼやけたりすることがありません。
また、テキストや線などを編集する場合にも非常に便利です。
一方で、ベクター形式は、写真などの実際の画像には適していません。写真は、ピクセル単位で表現されるラスタ形式の画像であり、画像が拡大されると画質が低下することがあります。
ベクター形式は、多くの場合で、Adobe IllustratorやCorelDRAWなどのグラフィックソフトウェアで使われています。

フォントの品質・自由度
独自のフォント表現方式を採用しており、高品質なフォントの描画が可能です。
また、TrueTypeやOpenTypeなどの他のフォント形式にも対応しおり、様々な種類のフォントを使用することができます。

組版処理が正確
ページレイアウトの機能が豊富で、複雑な文書でも正確な組版処理ができます。
プリンター自体がPostScript言語を理解しているため、印刷品質が高くなります。

クロスプラットフォーム互換性
Windows、Mac、Unix、Linuxなどのさまざまなオペレーティングシステムやコピー機・複合機やプリンターなどの印刷機器で使用することができます。
このため、PostScriptを使用することで、同じ高品質の印刷物をさまざまなプラットフォームで作成することができます。

小さいファイルサイズ
ベクター形式で記述されるため、ファイルサイズが小さいことが特徴です。
特に、大量のグラフィックスや画像を含むデザインにおいて、PostScriptを使用することで、ファイルのサイズを劇的に減らすことができます。

機種依存性が少ない
デバイスに依存しないため、出力機器のメーカーやモデルによらず、同じ言語を使用することができます。
これにより、複数の出力機器で同じデザインを再現することができます。

標準化された規格
Adobeが開発した規格であり、広く普及しているため、多くのソフトウェアやシステムがPostScriptに対応しています。
また、PDFのベースとなっているため、PDFファイルとして保存や配布することもできます。

これらの理由から、デザイナーや設計士の方がプリンターやコピー機・複合機を使用する場合、PostScript搭載の機種を使用することをおすすめします。


補足:ページ記述言語とは
ページ記述言語(Page Description Language)とは、プリンターやグラフィックス出力機器などのページの出力を制御するために使用される言語です。
テキストや画像、線や図形など、ページに含まれる様々な要素を記述し、出力する方法を定義します。

代表的なページ記述言語には、PostScript、PCL(Printer Command Language)、PDF(Portable Document Format)などがあります。
これらの言語は、それぞれ異なる出力機器で使用されても、共通して高品質な出力を可能にし、ファイルサイズを小さく保つことができます。
ページ記述言語を使用することで、同じページを異なる出力機器で再現することが容易になり、また、グラフィックスや画像などの高品質な印刷物を作成することができます。


PSイメージ

4. 印刷サンプルを使ったPostScript出力の比較

サンプル比較で実証:写真の階調・グラデーション再現、文字輪郭の精細さで、PostScript出力は標準言語出力より明確に高品質です。では、実際にPostScript規格で出力した印刷物と、メーカー標準の規格で出力した印刷物を見比べてみましょう。

写真画像の比較

画像PS

【PostScript出力】

画像標準

【標準出力】

PostScriptの方がソファーの質感やドレスの明暗が綺麗に再現されていると思いませんか。
また、カラーチャートのグラデーションも綺麗に再現されており、特にシアンのグラデーションに差が出ています。
(富士フイルム製23枚クラスの複合機にて出力、600dpiでスキャン。)

モノクロ文字画像の比較

文字PS

【PostScript出力】

文字標準

【標準出力】

カラー文字画像の比較

カラー文字PS

【PostScript出力】

カラー文字標準

【標準出力】

PostScriptの方が小さい漢字もはっきりと再現しています。
(富士フイルム製23枚クラスの複合機にて出力、600dpiでスキャン。)

5. PostScriptを使わない場合の注意点

PostScript非対応機で印刷すると、フォント崩れ・組版乱れ・機種間でのレイアウト差異が発生しやすくなります。デザインや設計の業務では致命的です。PostScriptを使わずにデザイン画や図面、フライヤーなどを作成した場合には、解像度の制限によって、拡大・縮小すると画像が荒れたり文字がぼやけたりすることがあります。
また、小さなサイズのフォントや、複雑なデザインのフォントを扱う場合には、フォントが崩れてしまったり、細かいデザインが失われてしまうことがあります。

組版処理の制限によって、複雑なページレイアウトやテキスト処理が正確にできないことがあり、特に、文章の行揃えや段落の配置、画像の配置などの細かい調整が必要な場合には、制限がある場合があります。
PostScriptに対応していないコピー機・複合機では、同じ原稿データでも、違うメーカーのコピー機・複合機を使った場合にレイアウトが崩れたり、文字フォントが違くなったりする場合があります。

こような理由から、PostScriptを使わない場合には、正確な印刷物を作成することが難しくなる可能性があります。

6. まとめ

Mac利用者・デザイン業務の方はPS対応複合機がほぼ必須。一方で一般オフィス事務ではPS非対応機でも十分で、用途次第ではPS対応の追加コストが無駄になることもあります。デザイナー・設計士の方、印刷物のクオリティーにこだわり方、印刷物の編集にMacをご利用の方はPostScript機能が搭載されたプリンターやコピー機・複合機をご検討ください。
特に、Macをご利用の方にはMacがPostScriptを搭載しており、他のページ記述言語との互換性が高くない為に、Macからの印刷はPostScript対応のプリンター・複合機をおすすめします。
PostScript機能を利用しない場合は、出力するプリンターや複合機の機種により、異なったプリントとなる場合がありますが、PostScript機能を利用した場合は、どのメーカー・機種でもパソコンで編集した画面と同じ様にプリントすることが出来ます。
(出力するプリンターなどの機種の性能により解像度や品質の差は生じます)

ただし、PostScriptを使用するためには、ライセンス料などで、その料金は高額になる場合があります。
また、印刷するために対応したコピー機・複合機やソフトウェアが必要になりますので、印刷物の用途や目的によっては、PostScriptを使わずに出力する方がコスト面で優れている場合もあります。

サガスでは、業務用コピー機・複合機のお見積もりの機種ごとに、PostScript出力・メーカー標準言語による出力と、比較のできるプリントサンプルのご用意が可能です。
PostScript機能は必要か?それとも必要ないか?などお悩みでしたら是非、サガスにご相談ください。

PostScriptに関するよくある質問(FAQ)

Q1. PostScript対応機と非対応機では、本体価格(またはリース料)はどれくらい違いますか?

機種クラスにもよりますが、PostScriptオプションを追加すると本体価格で5万円〜15万円程度、リース月額で500円〜1,500円程度のアップが目安です。これはAdobeへのライセンス料が含まれるためです。デザイン業務で日常的に使うなら確実に元が取れますが、一般事務中心の使い方であれば、その差額分のコストが無駄になる可能性があります。

Q2. Macで作ったデータを非PostScript複合機で印刷すると、具体的に何が起きますか?

代表的な不具合は(1)フォントが画面と違う書体に置き換わる、(2)文字の位置がずれて組版が乱れる、(3)細い線や小さな文字が消える・かすれる、(4)PDF内の透明効果やグラデーションが正しく出ない、などです。社内文書ならまだ妥協できますが、印刷会社への入稿用校正やお客様への提案資料ではトラブルになりやすいので、Mac中心ならPS対応機を強くおすすめします。

Q3. 一般的なオフィス事務(Word・Excel・メール印刷)にPostScriptは必要ですか?

基本的に不要です。Word・Excel・PowerPoint・PDFはWindows標準のPCL(プリンターコマンドランゲージ)や各メーカー独自言語で十分高品質に印刷できます。Adobe Illustratorのような専用ソフトを使わない限り、PSの恩恵を受ける場面はほぼありません。事務用途中心であれば、PS非対応のスタンダードモデルでコストを抑える方が合理的です。

Q4. PDFを印刷するだけならPostScript対応機でなくても良いですか?

単純なPDF印刷であればPS非対応でも問題ありません。ほとんどの現行PDFはプリンター側で適切にラスタライズされて出力されます。ただし、複雑な透明効果・特殊フォント埋め込み・印刷会社入稿前提のPDF/X規格のような「色や形を厳密に保ちたい」用途では、PS対応機の方が安全です。日常のPDF印刷だけなら標準言語で十分です。

Q5. 既存のコピー機・複合機にPostScriptを後から追加できますか?

機種によります。主要メーカーの中・上位モデルでは「PostScript拡張オプション」がパーツ追加またはライセンス購入で後付けできるものが多くあります。一方、エントリーモデルや古い機種は最初からPS非対応で後付け不可の場合があります。導入後にデザイン業務が増えそうな場合は、購入時点で「PS後付け可能なモデル」を選んでおくと安心です。サガスでは対応可否を機種ごとにお調べします。

Q6. PCL(プリンターコマンドランゲージ)とPostScriptの違いは何ですか?

どちらもページ記述言語ですが、開発元と得意分野が違います。PCLはHP(ヒューレット・パッカード)が開発したWindows環境向けの言語で、事務文書の高速出力に強い。PostScriptはAdobeが開発したクロスプラットフォーム言語で、グラフィックス・組版・Mac環境に強い。多くの業務用複合機は両方に対応しており、用途に応じて使い分ける運用が一般的です。

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