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中古複合機は本当に安いのか|5年総額で比べると本体価格は一部でしかない

【この記事の要点:安さは本体価格ではなく保守で決まる】

中古複合機の本体価格は確かに安いのですが、5年間の総額に占める本体価格の割合は2割程度です。残り8割は保守とランニングコストで、ここがどう付くかで総額は大きく変わります。 月間カラー1,500枚+モノクロ3,000枚のモデルケースでは、中古購入+カウンター保守が約201万円、新品のカウンター料金0円機が約105万円。約96万円の差がつきます。 一方で、印刷枚数が極端に少ない場合や、短期間だけ使う場合、予備機として置く場合には中古が合理的です。状態を見るときは年式ではなく総カウンター枚数を確認してください。

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カウンター料金0円・5年保守付き A3カラー複合機 日本HP E786dn

中古複合機の本体価格は5年総額の一部でしかなく、残りは保守とランニングコストが占める

「中古なら本体が40万円で買えると言われたのですが、どう思いますか」。開業されたばかりのお客様から、こうしたご相談をいただくことがあります。 結論から申し上げると、中古が悪いわけではありません。条件によっては中古機をおすすめすることもあります。 ただ、本体価格だけを見て比べていると、判断を誤ります。複合機のコストは導入した瞬間に終わるものではなく、そこから5年、6年と続いていくものだからです。 このコラムでは、中古複合機を検討するときにどこを見れば総額を見誤らずに済むのかを整理します。

1. 中古複合機の相場と、何が安くなっているのか

中古で安くなっているのは本体価格だけです。トナー代も、修理費も、電気代も、新品と同じようにかかります。 業務用の中古複合機は、リース満了で回収された機械を整備して再販売したものが中心です。価格は機種・年式・使用状況によって幅がありますが、新品の定価に対してかなり安く買えるのは事実です。

ただ、ここで一度立ち止まっていただきたいのです。安くなっているのは、どの部分でしょうか。

複合機を5年使うときにかかる費用を分けると、おおよそ次のようになります。

  • 本体費用(購入額、またはリース料の総額)
  • 保守費用(カウンター料金、または保守契約料)
  • 消耗品費(トナー、ドラムなど。保守契約に含まれる場合もあります)
  • 修理費(保守契約の範囲外の故障、部品代)
  • 電気代

中古を選ぶことで安くなるのは、このうち本体費用だけです。トナーは新品と同じものを使いますし、電気代も変わりません。むしろ古い機械のほうが消費電力は大きい傾向があります。修理費については、使用年数が進んでいる分だけ発生しやすくなります。

つまり中古の値引きは、5年間の支出全体のうち一部分に効いているだけです。その一部が、他の部分でどれだけ相殺されるのか。ここを確認せずに本体価格だけで比べると、後から差が開きます。

2. 年式ではなく「総カウンター枚数」を見る

中古複合機の状態を表すのは製造年ではなく、これまでに何枚印刷してきたかです。中古車でいう走行距離にあたります。 中古複合機の広告には、たいてい製造年式が書かれています。ただ、現場の感覚で言えば、年式はあまり参考になりません。

3年落ちでも毎月1万枚を刷り続けてきた機械と、5年落ちで月500枚しか使われなかった機械では、内部の消耗がまるで違います。判断すべきなのは経過年数ではなく、総カウンター枚数です。これは本体の操作パネルやレポート出力で確認でき、販売店に聞けば必ず答えられる数字です。

業務用複合機には、機種ごとに設計上の耐久枚数が設定されています。総カウンター枚数がそれに対してどのくらいの位置にあるのかを確認すれば、あとどれだけ使えそうかの見当がつきます。この数字を出してもらえない中古機は、検討から外してかまいません。

あわせて確認しておきたいのが次の3点です。

  • ドラム・定着ユニットなど主要部品の交換履歴。交換済みかどうかで、今後の修理費の見込みが変わります
  • 補修用部品の保有期間。メーカーは生産終了から一定期間で部品供給を終えます。これを過ぎると、故障しても直せません
  • 保守を誰が、どの範囲で受けるのか。次章で詳しくご説明します

なお、中古機を資産として計上する場合の耐用年数の算出方法は、税務上のルールが別にあります。こちらは複合機・コピー機の法定耐用年数と減価償却のすべてで詳しくご説明していますので、経理処理の観点が必要な場合はそちらをご覧ください。

3. 保守がどう付くかで、5年総額は逆転する

中古機の保守はカウンター契約になることが多く、その場合は印刷するたびに費用が積み上がります。本体の値引き分は、ここで消えていきます。 中古複合機を導入するとき、避けて通れないのが保守です。機械だけ安く買っても、故障したときに直せなければ業務が止まります。

そして中古機の保守は、カウンター保守の形で提供されることが一般的です。1枚印刷するごとにカラー何円、モノクロ何円という単価で支払う仕組みですね。この仕組み自体は消耗品も修理も込みで予算が読みやすく、決して悪いものではありません(カウンター保守とキット保守の違いはカウンター保守とキット保守の違いを徹底解説にまとめています)。

問題は、本体をいくら値引きしてもカウンター料金は変わらないということです。実際に並べてみます。

5年総額で比べる

月間カラー1,500枚+モノクロ3,000枚という印刷量で、中古機を購入してカウンター保守を付けた場合と、新品のカウンター料金0円機をリースした場合を比較します。

項目 中古購入+カウンター保守 新品カウンター料金0円機
本体費用(導入時) 400,000円 0円
リース
月額 26,850円
カウンター料金
17,570円
リース9,200円+トナー8,370円
5年間の月額合計 1,611,000円 1,054,200円
5年総額 2,011,000円 1,054,200円
差額 - 956,800円

※月間カラー1,500枚+モノクロ3,000枚、カウンター単価カラー14円・モノクロ1.95円で試算。中古本体400,000円は一例で、相場は機種・年式・総カウンター枚数により大きく変動します。カウンター料金0円機はHP E786dn(リース9,200円・トナー単価カラー4.6円/モノクロ0.49円)を例とした概算です。※6年(72ヶ月)契約の場合。出張保守は5年間(60ヶ月)が含まれ、61ヶ月目以降の修理はスポット対応(実費)になります。実際の金額は機種・利用状況・契約条件により異なります。

中古購入40万円とカウンター料金26,850円の5年総額は2,011,000円。新品カウンター料金0円機は月17,570円で5年総額1,054,200円となり差額は956,800円

本体で40万円安く買ったはずが、5年で見ると約96万円高くなっています。本体の値引き額よりも、毎月積み上がるカウンター料金のほうが大きいためです。

誤解のないよう申し添えると、これは中古が損だという話ではありません。比較の前提が、月間4,500枚という一定量を印刷し続ける場合だからこうなります。印刷枚数が違えば、結論も変わります。

また、中古購入には次のような違いもあります。あわせて判断してください。

  • 導入時にまとまった現金が出ていきます。リースは月額ですが、購入は一括です。開業直後の資金繰りには効いてきます
  • 5年後も機械は手元に残ります。所有なので、まだ動くなら使い続けられます。リースは満了時に返却か再リースかを選ぶことになります
  • 審査がありません。リースには与信審査がありますが、購入であれば不要です。設立直後などで審査が通りにくい場合には、これが決め手になることもあります

購入・レンタル・リースという調達手段そのものの選び方はレンタルとリースの違いと選び方で整理しています。

4. 中古が向いているケース、向いていないケース

印刷枚数が少ない、使う期間が短い、予備機として置く。この3つのどれかに当てはまるなら、中古は合理的な選択です。 ここまでの計算は、毎月まとまった枚数を印刷する前提でした。条件が変われば答えも変わります。中古が合うのは、次のような場合です。

中古が向いているケース

  • 印刷枚数が月に数百枚程度。カウンター料金の総額が小さいため、本体の安さがそのまま効きます
  • 使う期間が1〜2年と決まっている。プロジェクト単位の事務所や、移転までのつなぎなど。リースは原則として中途解約ができないため、期間が短いなら購入のほうが身軽です
  • 2台目・予備機として置く。メイン機が止まったときの保険なので、稼働率は低く、状態も最上でなくてかまいません
  • 特定の機能だけが必要。大判出力やフィニッシャーなど、常用しない機能のために新品を入れるのは過剰投資になります
  • リース審査を通すのが難しい。設立直後などの事情がある場合、購入という手段が現実的です

中古が向いていないケース

  • 毎月まとまった枚数を印刷する。本記事の試算のとおり、カウンター料金が総額を支配します
  • 5年以上使うつもりでいる。すでに稼働した機械をさらに5年動かすことになり、修理費と部品供給の両方でリスクが上がります
  • 止まると業務が止まる。請求書発行や図面出力など、その日のうちに刷らなければならない業務があるなら、故障リスクの低い機械を選ぶべきです
  • 総カウンター枚数と部品保有期間を開示してもらえない。これは中古機の問題ではなく、売り手の問題です

買い替えのタイミングそのものをどう判断するかは、複合機の買い替え時期は「年数」では決まらないで残債と月額差から計算する方法をご説明しています。

結論: 本体価格ではなく、5年分を並べて比べてください

中古複合機を検討するときに見るべきものは、次の3つです。

  1. 総カウンター枚数(年式ではありません)
  2. 保守がどう付くか(カウンター保守なら、月額がいくらになるか)
  3. 5年分を足した総額(本体価格ではありません)

この3つを並べたうえで中古を選ぶのであれば、それは正しい判断です。印刷枚数が少ない事務所や、短期利用、予備機であれば、中古のほうが合っていることは実際にあります。

一方、毎月まとまった枚数を印刷するのであれば、本体の安さは5年のうちに吸収されてしまいます。その場合は、月額を下げる方向で考えたほうが結果的に安く収まります。新規に導入されるならSHARP BP-22C20、印刷枚数が多い環境であればHP E786dn カウンター料金0円モデルが候補になります。

中古機の見積をお持ちであれば、その条件のまま5年総額に直してお出しします。比較の材料としてお使いいただくだけでもかまいません。

中古複合機に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 中古複合機はやめたほうがいいですか?

そうとは限りません。印刷枚数が月に数百枚程度の事務所、使う期間が1〜2年と決まっている場合、予備機として置く場合には、中古は合理的な選択です。避けたほうがよいのは、毎月まとまった枚数を印刷する環境です。中古機の保守はカウンター契約になることが多く、その場合は本体の値引き額よりカウンター料金の総額のほうが大きくなるためです。判断は本体価格ではなく5年総額で行ってください。

Q2. 中古複合機の状態はどこで見分けますか?

製造年式ではなく、総カウンター枚数を確認してください。中古車でいう走行距離にあたる数字で、本体の操作パネルやレポート出力で確認できます。3年落ちで毎月1万枚刷ってきた機械と、5年落ちで月500枚だった機械では消耗がまるで違います。あわせて、ドラムや定着ユニットなど主要部品の交換履歴と、補修用部品の保有期間も確認してください。これらを開示してもらえない場合は、検討から外してかまいません。

Q3. 中古なら本体が安いので、総額も安くなりますか?

印刷枚数によります。月間カラー1,500枚+モノクロ3,000枚のモデルケースでは、中古を40万円で購入してカウンター保守(カラー14円・モノクロ1.95円)を付けると5年総額は2,011,000円になります。一方、新品のカウンター料金0円機は月17,570円で5年総額1,054,200円。差は956,800円で、中古のほうが高くなります。本体で安くなった40万円を、毎月のカウンター料金が上回るためです。印刷枚数が少なければこの関係は逆転します。

Q4. 中古複合機でもメーカーの保守は受けられますか?

機種や流通経路によって異なるため、契約前に必ず確認が必要です。中古機では販売店独自の保守契約になることが一般的で、その場合は駆けつけ範囲・部品代の扱い・消耗品が含まれるかが会社ごとに違います。特に注意したいのが補修用部品の保有期間で、メーカーが生産終了から一定期間で部品供給を終えると、契約があっても修理できなくなります。機種の生産終了時期を販売店に確認してください。

Q5. 中古購入とリースでは、どちらが資金繰りに有利ですか?

目的によります。中古購入は導入時にまとまった現金が出ていく代わりに、月々の固定費が保守費用だけになり、5年後も機械が手元に残ります。リースは初期費用を抑えられますが、原則として中途解約ができず、満了時には返却か再リースかの判断が必要です。また、リースには与信審査がありますが購入にはありません。設立直後で審査が通りにくい場合、購入が現実的な選択になることもあります。

Q6. 中古複合機の耐用年数は何年で計算すればよいですか?

中古資産の耐用年数は、法定耐用年数をそのまま使うのではなく、経過年数に応じた簡便法などで算出します。複合機の法定耐用年数は5年ですが、中古で取得した場合は計算方法が変わるため、税務上の取り扱いは別途ご確認ください。当サイトでは「複合機・コピー機の法定耐用年数と減価償却のすべて」で詳しく解説しています。なお、実際にあと何年使えるかという物理的な寿命は、年式ではなく総カウンター枚数と部品保有期間で判断してください。

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