複合機の一生は導入・運用・判断・出口の4段階に分かれます。それぞれで見るべき数字は違い、導入時は5年総額、運用時は月額の内訳、判断時はリース残債、出口では実質の月額です。 月間カラー1,500枚+モノクロ3,000枚のモデルケースでは、5年間の累計コストが2,511,000円と1,054,200円に分かれます。同じ印刷量でも、選び方によって約146万円の差がつきます。 本記事は各段階の入口です。それぞれの詳細は個別のコラムへリンクしています。
複合機のコストでいちばんもったいないのは、「導入するとき」と「満了するとき」にしか考えないという進み方です。 その間の5年、6年のあいだにも判断すべきタイミングはありますし、逆に満了時になってから慌てても、選べる範囲は限られています。 このコラムは、複合機の一生を4つの段階に分けて、それぞれの段階で何を見ればいいのかを整理した入口です。 詳しい話は段階ごとに個別のコラムへ分けてありますので、いま自分がどの段階にいるのかを確認してから、必要なところへ進んでください。
1. 複合機の一生は4つの段階に分かれる
導入・運用・判断・出口。段階ごとに見るべき数字が違うので、同じ物差しで考えようとすると決まりません。 複合機は、契約してから手放すまでに次の4つの段階を通ります。
| 段階 | 時期 | 見るべき数字 | よくある失敗 |
|---|---|---|---|
| 導入 | 契約時 | 5年総額 | 本体価格・月額だけで比べる |
| 運用 | 1年目〜 | 月額の内訳 | 請求書を見ないまま数年が過ぎる |
| 判断 | 3年目〜 | リース残債 | 年数で考えて先送りする |
| 出口 | 満了時 | 実質の月額 | 案内どおりに再リースを選ぶ |
この表で伝えたいのは、段階ごとに物差しが違うということです。導入時に「月額いくらか」で選んでしまうと、運用に入ってから毎月の内訳が見えなくなります。判断の段階で「もう7年だから」と年数で考えると、いつまでも決まりません。
それぞれの段階に、適した数字があります。以下、順番にご説明します。
2. 5年でどれだけ差がつくのか
同じ印刷量でも、5年間の累計コストは2,511,000円と1,054,200円に分かれます。差は約146万円です。 段階ごとの話に入る前に、全体でどれくらいの金額が動くのかを見ておきます。月間カラー1,500枚+モノクロ3,000枚という印刷量で、カウンター保守の機械とカウンター料金0円の機械を並べました。
| 経過 | カウンター保守機 | カウンター料金0円機 | 差 |
|---|---|---|---|
| 月額 | 41,850円 | 17,570円 | 24,280円 |
| 1年 | 502,200円 | 210,840円 | 291,360円 |
| 3年 | 1,506,600円 | 632,520円 | 874,080円 |
| 5年(60ヶ月) | 2,511,000円 | 1,054,200円 | 1,456,800円 |
※月間カラー1,500枚+モノクロ3,000枚、カウンター保守機はリース料15,000円・カラー単価14円・モノクロ1.95円で試算。カウンター料金0円機はHP E786dn(リース9,200円・トナー単価カラー4.6円/モノクロ0.49円)を例とした概算です。※6年(72ヶ月)契約の場合。出張保守は5年間(60ヶ月)が含まれ、61ヶ月目以降の修理はスポット対応(実費)になります。上表は比較のため共通の5年窓で並べています。実際の金額は機種・利用状況・契約条件により異なります。
初年度の差は291,360円ですが、5年では1,456,800円まで開きます。毎月の差は24,280円と、単月で見れば大きな金額ではありません。ただ、これが60回続くとこうなります。
複合機のコストがわかりにくいのは、この積み上がり方が契約書に書かれていないためです。契約書に書いてあるのはリース料と単価だけで、5年でいくらになるかは自分で掛け算しないと出てきません。
だからこそ、段階ごとに数字を確認する習慣が効いてきます。
3. 導入:どう入れるかを決める
この段階で見るべきは5年総額です。本体価格でも月額でもありません。 導入時の選択肢は、新品リース・新品購入・中古購入・レンタルに分かれます。それぞれ初期費用と月額の出方が違うため、同じ土俵に乗せるには5年分を足すしかありません。
とくに中古は、本体価格の安さが目立つ一方で、保守がカウンター契約になりやすいという特徴があります。5年で並べると順位が入れ替わることがあるので、本体価格だけで判断しないでください。
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4. 運用:毎月いくら出ているかを知る
この段階で見るべきは月額の内訳です。リース料とカウンター料金を分けて把握できていますか。 導入が済むと、複合機のことはしばらく忘れられます。実際それでいいのですが、年に一度でいいので請求書の内訳を見てください。
複合機の月額は、リース料と保守費用の合計です。このうち保守費用は印刷枚数で変動するため、業務量が変われば金額も変わります。導入時に想定した枚数と実際がずれていれば、その時点で見直す価値があります。
また、機械の状態は日々の手入れでかなり変わります。清掃と設置環境を整えるだけで、故障の頻度も寿命も違ってきます。
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5. 判断:いつ替えるかを決める
この段階で見るべきはリース残債です。年数ではありません。 ここが4つの段階のなかで、いちばん先送りされやすいところです。「まだ動くから」「あと1年使えるかも」と考えているうちに、毎月の支払いは同じ額で出ていきます。
判断に必要な数字は2つだけです。リースの残債と、乗り換えた場合の月額差。残債を月額差で割れば、何ヶ月で取り返せるかが出ます。モデルケースでは残債30万円なら約12.4ヶ月でした。
「7年経ったから」ではなく「残債が12ヶ月分を切ったから」。この基準にすると、判断は一度で終わります。
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6. 出口:どう手放すかを決める
この段階で見るべきは実質の月額です。再リース料だけを見ると、判断を誤ります。 リース満了の案内は、たいてい満了の3ヶ月前に届きます。選べるのは再リース・返却・買取・入れ替えの4つです。
案内でいちばん目立つのは再リースで、月額が大きく下がって見えます。ただしカウンター保守は満了しません。再リース料が月2,500円でも、カウンター料金26,850円が続けば実質は29,350円です。
あわせて、手放すときには機械の中に残ったデータを消す必要があります。撤去とデータ消去の費用は3万〜5万円程度が目安です。
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- 複合機のセキュリティ機能ガイド - 運用中のデータ保護機能
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結論: いま自分がどの段階にいるかを確認してください
複合機のコストは、どこか一箇所で決まるものではありません。導入時の選び方、運用中の把握、判断のタイミング、出口での選択。この4つが積み重なって、5年で最大146万円ほどの差になります。
- これから導入する → 5年総額で比べる
- 運用中で、内訳を把握していない → 直近の請求書を見る
- そろそろ替えようか迷っている → リース残債を確認する
- 満了の案内が届いた → 再リースの実質月額を計算する
どの段階であっても、必要な数字は契約書と直近の請求書に書かれています。ご自身で計算していただくのがいちばん確実ですが、お手元の書類をご用意いただければ、こちらで計算してお出しすることもできます。
カウンター料金0円という選び方についてはHP E786dn カウンター料金0円モデル、新規に導入される場合のコンパクトな選択肢としてはSHARP BP-22C20をご覧ください。複合機の基礎知識全般はコピー機・複合機の基礎知識・選び方完全ガイドにまとめています。
複合機のライフサイクルに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 複合機は導入から手放すまでに、全部でいくらかかりますか?
印刷量と保守の形によって大きく変わります。月間カラー1,500枚+モノクロ3,000枚のモデルケースでは、カウンター保守の機械で5年間の累計が2,511,000円、カウンター料金0円の機械で1,054,200円です。差は約146万円になります。月額では24,280円の差ですが、60ヶ月続くとこの金額になります。契約書にはリース料と単価しか書かれていないため、5年分は自分で掛け算して確認してください。
Q2. 段階ごとに、何を見ればいいですか?
導入時は5年総額、運用中は月額の内訳(リース料と保守費用を分けて把握する)、買い替え判断ではリース残債、満了時は再リースの実質月額です。段階によって適した物差しが違うため、同じ基準で考えようとすると判断できなくなります。とくに導入時に「月額いくらか」だけで選ぶと、その後の内訳が見えなくなりやすいのでご注意ください。
Q3. いちばん見落とされやすい費用はどれですか?
カウンター料金です。リース料は契約書に月額が明記されていますが、カウンター料金は単価でしか書かれておらず、印刷枚数を掛けないと金額が出てきません。モデルケースではリース料15,000円に対してカウンター料金が26,850円で、実はリース料より大きくなっています。次に見落とされやすいのが、満了時の撤去・データ消去費用(3万〜5万円程度)です。
Q4. リース期間は5年と6年のどちらを選ぶべきですか?
期間が長いほど毎月のリース料は下がりますが、その分だけ契約に拘束される期間も延びます。途中で入れ替えたくなった場合、残債が大きいほど動きにくくなります。一方、業務内容が安定していて機械を長く使う見込みがあるなら、月額を下げられる長期のほうが有利です。事業の見通しがどのくらい立っているかで判断してください。なお期間が違うと月額も変わるため、他社と比較する際は必ず契約期間を揃えて見てください。
Q5. すでに運用中ですが、どこから見直すのが効果的ですか?
まず直近の請求書で、リース料とカウンター料金の内訳を確認してください。カウンター料金がリース料と同程度かそれ以上であれば、見直しの余地があります。次にリース会社に残債を問い合わせ、乗り換えた場合の月額差で割ってみてください。何ヶ月で取り返せるかが出ます。この2ステップだけで、動くべきか待つべきかが判断できます。
Q6. カウンター保守はやめたほうがいいのですか?
そうではありません。カウンター保守は消耗品も修理も定期点検も1枚あたりの単価に含まれる仕組みで、余計な請求が発生せず、経理処理も単純です。印刷枚数が月ごとに大きく変動する事業所では、使った分だけ払う形のほうが予算を読みやすいという利点もあります。印刷枚数が少ない場合は、カウンター料金の総額自体が小さくなるため差も縮みます。大切なのは、その仕組みで毎月いくら払っているかを把握したうえで選ぶことです。



