リースの途中で複合機を入れ替えるときに損をしない見分け方を、実際に見た事例をもとに解説しました。損得を分けるのは機械選びではなく今のリースの残債の扱いで、その残債を隠さず一枚で見せてもらえるかどうかが、いちばん確かな判断基準です。
- レベルアップ契約は悪ではない:残債を新しい契約に乗せ替えること自体は珍しくなく、数字を見たうえで今替えたほうが得になるケースもあります。
- 残債を薄める手口に注意:ビジネスホンなど別の機器のリースまで混ぜ、期間を7年に延ばして月額だけ安く見せる売り方では、156万円もの残債が見えにくくなっていました。
- 搬入と相手選び:搬入経路や既存機の契約を事前に確認し、時には「今は替えないほうがいい」と言ってくれる相手に相談することが、損を防ぐ近道です。
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入れ替えで損が生まれる場面と、損しない判断基準
複合機の入れ替えで損が生まれるのは、機械選びの瞬間ではなく、「残債」と「相手選び」の場面です。下の表は、入れ替えの相談でよく出会う勧め方が、実際には何を起こしているのか、そして損しないためにどこを確かめればよいかを整理したものです。記事全体のチェックリストとしてお使いください。
| 場面 | よくある勧められ方 | そこで実際に起きていること | 損しないための判断基準 |
|---|---|---|---|
| リース途中の入れ替え | 「今替えたほうがトータルで安い」 | 今の残債が新しい契約に上乗せされる(レベルアップ契約) | 残債の額を見せてもらい、総額で比べる |
| 別機器の抱き合わせ | 複合機にビジネスホン等のリースを混ぜる | 残債を長い年数に引き延ばし、月額だけ小さく見せる | 「その残債はいくらか」を数字で出させる |
| 搬入・既存機の扱い | 経路や既存機の契約を確認しないまま進める | 当日に入らない・引き取れないで配送が二度手間、費用が増える | 搬入経路・寸法・既存機の契約を事前に確認 |
| 相手選び | 誰にでも「安くします」と調子よく合わせる | 全員に同じシナリオ。損でも止めてくれない | 時に「今はやめたほうがいい」と言える相手を選ぶ |
1. 「今は替えないほうがいい」と、正直に言った日
複合機の入れ替えで一番損をするのは、機械選びを間違えることではありません。損の大半は、今のリースの残債がどれだけあるかと、それを隠さず見せてくれる相手に相談できているか、この二つで決まります。以前、リースの残りがまだたっぷりあるのに、「今の販売店がどうしても好きになれない」という理由で複合機を入れ替えようとしていたお客様がいました。私は複合機を売る立場ですが、そのとき「もう少しだけ、我慢しませんか」とお伝えしました。売らないほうを勧めたわけです。理由は、嫌いだからという気持ちだけで動くと、残っているリースの負担をそっくり新しい契約に背負わせることになりかねなかったからです。だから、まずは残債が軽くなるタイミングを一緒に見ましょう、とお話ししました。25年この現場に立ってきて、入れ替えの成否は感情よりも先に「残債の数字」を見たかどうかで決まると感じています。以下、なぜそう言い切れるのかを、実際に見てきたことでお伝えします。
2. 入れ替えで本当に損するのは「機械選び」ではない
入れ替えを急ぐと、多くの場合、今のリースの残りが新しいリースに上乗せされます。感情で動きたくなる場面ほど、まず残債の数字を先に見ることが、入れ替えの一つ目の分かれ道になります。新しい機種の色や速さ、機能の比較に時間をかける方は多いのですが、その差で生まれる損得は、実は残債の扱いに比べればわずかです。今の契約にいくら残っているのか、それが次の契約にどう乗るのか。ここを見ないまま「新しくて便利そうだから」で進めてしまうと、月々の見た目が新しくなっただけで、負担そのものはむしろ重くなっていた、ということが起こります。機械のカタログを開く前に、今のリースの残債を一枚の紙で出してもらう。これが、損をしない入れ替えの出発点です。
3. レベルアップ契約は悪じゃない、「残債を隠す」のが損
リースの途中で入れ替えて、残りを新しい契約に乗せ替えること、いわゆるレベルアップ契約そのものは、悪いものではありません。分かれ目は、残債を「見せて」判断させるのか、「薄めて」見えなくするのか、ここです。残債をきちんと見せたうえで、それでも今替えたほうがトータルで得になる、というケースは実際にあります。私たちも、数字がそう出るときは途中での入れ替えをお勧めします。リース途中の入れ替えが損か得かは、入れ替えること自体で決まるのではなく、その判断が見えている数字の上でなされているかどうかで決まります。残債を隠したまま「トータルで安くなります」とだけ言われたら、その安さの中身を必ず確かめてください。安く見える理由が、実は「長く払うから一回あたりが小さく見えているだけ」になっていないか。ここを見抜けるかどうかが、二つ目の分かれ道です。
4. 実話:残債を7年に薄める「抱き合わせ」の手口
実際に私が見たのは、残債を見せずに薄めて隠す売り方でした。複合機に、本来まったく別物であるビジネスホンのリースまで混ぜ込み、まだ156万円も残債があるのに、リース期間を7年に引き延ばして月々の数字を薄める。そのうえで「トータルではコスト削減になります」というシナリオを見せて契約に持っていく、というものです。月額だけを見れば、確かに安くなったように見えます。ですが実際にやっているのは、前の設備の残り、しかも複合機ですらないものまでを、これから7年、新品の契約に背負わせ続けることです。しかも残債が長い年数に薄まっているぶん、それに気づきにくい。だから、物差しは一つで足ります。その残債の額を、そのまま一枚で見せてもらえるか。これが、途中入れ替えが得なのか損なのかを見分ける、いちばん確かなチェックポイントです。見せてもらえない、話をそらされる、というときは、いったん立ち止まったほうがいいと思います。
5. 見落としがちな「搬入・既存機」の確認
残債と並んで、金額に直結するのに毎回のように見落とされるのが、搬入経路や既存機まわりの事前確認です。搬入経路、エレベーターや廊下の幅、設置場所の寸法、そして今の機械がリースか買取か。ここを詰めずに当日を迎えると、入らない・引き取れないで配送が二度手間になり、その費用がそのまま乗ってきます。新しい機械のスペックを眺める時間の何分の一かを、この確認に回すだけで防げる損です。とくに既存機がリースの場合は、引き取りや返却の段取りが絡むため、入れ替え当日にまとめて動かすには事前の確認が欠かせません。入れ替えは「何を入れるか」よりも先に、「どうやって入れて、今の機械をどう出すか」で費用が変わる部分が大きい、と覚えておいてください。
6. 最後に効く「聞ける相手」、媚びる営業に注意
入れ替えの成否は、突き詰めるとカタログの数字ではなく、困ったときに正直に答えてくれる相手がいるかどうかに寄っていきます。ただし、誰にでも調子よく合わせて、とにかく安く見せてくる営業には注意してください。以前、あるお客様に「あなただから、もういいかって。聞いたら答えてくれるでしょ」と言われたことがあります。細かい機種比較よりも、困ったときに正直に答えてくれる相手がいる。それが最後のひと押しだった、という意味だと受け取りました。一方で、さきほどの「7年に薄めればコスト削減になります」という、都合よく作られたシナリオを疑いもなく差し出してくる相手には気をつけてください。あなたに合わせているのではなく、全員に同じ話をしているだけかもしれません。本当に相談できる相手は、時に「それは今回やめておいたほうがいい」と、自分の売上を減らしてでも止めてくれます。相談しやすさと、媚びは違います。冒頭で私が「待ちませんか」とお伝えしたのは、まさにそれです。
7. サガスの立場:残債を見せる、E786dn、カウンターフリー
サガスが入れ替えの定番にしているのは、A3カラー複合機のHP E786dn(5年保証つき)です。加えて、残債は隠さずお見せしたうえで、替えるべきか待つべきかを一緒に考えます。もう一点、正直に書いておきます。複合機は使うほど「カウンター料金」で課金される売り方が一般的で、月に約26,850円といった例も珍しくありません。サガスは、このカウンター料金を0円にしたモデル(カウンターフリー)でお出ししています。カウンター契約が悪いわけではありません。ただ、せっかく入れ替えるなら「使うほどコストが膨らむ」以外の選び方もある、とお伝えしたいだけです。入れ替えでいちばん大切なのは、目の前の相手が残債を隠さず見せてくれるかどうか。サガスは、その見せる側でありたいと考えています。
8. まとめ:入れ替えは「見えている数字」で決める
複合機を入れ替える前に、一度だけ、残債を隠さず見せて、搬入条件まで一緒に確認できる相手に相談してください。それだけで、入れ替えで起きる損の大半は防げます。答えが「今すぐ替えたほうが得」になることもあれば、冒頭のお客様のように「今は替えない」になることもあります。どちらでも構いません。大事なのは、その判断が、隠された数字の上ではなく、見えている数字の上でなされることです。
サガスは1987年(昭和62年)創業、複合機を専門に扱ってきたオンライン特化のディーラーです。入れ替えの判断から、残債の見方、搬入の段取りまで、日本語で一緒に確認します。「今の複合機、まだリースが残っているけれど替えたほうがいいのだろうか」と思ったら、まずは今のリースと設置場所の状況を一度見せてください。替えるべきか、待つべきか、そこからお話しします。
リース途中の複合機入れ替えに関するよくあるご質問(FAQ)
Q1. リースの途中でも、複合機は入れ替えられますか?
はい、入れ替えは可能です。ただしリースの途中で入れ替える場合、今の契約の残り(残債)をどう扱うかで損得が大きく変わります。残債を新しい契約に乗せ替える「レベルアップ契約」自体は珍しくありませんが、その残債がいくらで、どう乗るのかを見せてもらったうえで判断することが大切です。
Q2. 「レベルアップ契約」とは何ですか? 損なのですか?
今のリースの残りを、新しいリースに上乗せして組み替える契約のことです。それ自体が損というわけではありません。残債を見せたうえで、総額で比べても今替えたほうが得になるケースは実際にあります。損になるのは、残債が見えないまま、長い年数に薄められて月額だけが安く見えている場合です。
→ 関連コラム:コピー機・複合機のリース契約完全ガイド
Q3. 「今替えたほうがトータルで安い」と言われました。信じていいですか?
まず、その安さの中身を確かめてください。判断の物差しは一つで足ります。今の残債の額を、そのまま一枚で見せてもらえるかどうかです。見せてもらえて、総額で比べても得なら、入れ替えは合理的な選択です。見せてもらえない、話をそらされる、というときは、いったん立ち止まることをおすすめします。
Q4. 入れ替えのとき、残債はどう確認すればいいですか?
今のリース会社が発行する残債の額(中途解約時の残リース料)を書面で出してもらうのが確実です。複合機以外の機器(ビジネスホンなど)が同じリースに混ざっていないかも合わせて確認してください。複数の機器がまとめられていると、残債が見えにくくなり、判断を誤りやすくなります。
Q5. 搬入で二度手間になると、どれくらい余計にかかりますか?
状況によりますが、搬入経路や寸法、既存機の引き取り条件を事前に確認せずに当日を迎えると、入らない・引き取れないで再配送が発生し、その費用が上乗せになります。エレベーターや廊下の幅、設置場所の寸法、既存機がリースか買取かを事前に共有しておくだけで防げる費用です。
→ 関連コラム:複合機の入れ替えで失敗しないために
Q6. サガスに相談すると、必ず入れ替えを勧められますか?
いいえ。残債や設置状況を確認したうえで、待ったほうが得だと判断すれば、正直に「今は替えないほうがいい」とお伝えします。実際に、リース残が大きいお客様に入れ替えを見送るようお勧めしたこともあります。入れ替えありきではなく、見えている数字の上で、替えるべきか待つべきかを一緒に考えます。
Q7. リース満了が近い場合は、満了まで待ってから入れ替えたほうがよいですか?
残りの期間が短く残債が少ないなら、満了を待ってから入れ替えるほうが、残債を新しい契約に乗せずに済むため総額を抑えやすくなります。満了後は、返却して新しい機種に替えるほか、同じ機械を再リースで使い続ける選択肢もあります。ただし、故障が増えている、業務量に対して性能が足りないといった事情があれば、満了前でも替えたほうが結果的に得になる場合があります。残債の額と、今の機械を使い続ける負担を並べて比べてから決めましょう。
→ 関連コラム:複合機リースの満了対策ガイド

