- 複合機の管理者パスワードは、正論を言えば他人にわからないものに変更することをおすすめしています。初期値のままでは、誰でも設定を変えられてしまうおそれがあります。
- ただ、変更したパスワードを忘れてしまうケースが多いのも実情です。その場合は、メーカーのエンジニアを派遣してリセットするなどの対応が必要になり、機器の不具合ではないため、保守の対象外になることが多くあります。
- パスワードを紙に残すのは本来よい方法ではありませんが、契約書と一緒に保管するのは有効かもしれません。その場合も、限られた人しか見られないようにしておきましょう。
複合機には、ネットワークの設定やアドレス帳、セキュリティの設定などを変えるための「管理者パスワード」があります。このパスワード、導入したときの初期値のままになっていないでしょうか。 私たちは秋葉原の複合機専門店として、業界で40年近く、複合機の設定のご相談に対応してきました。管理者パスワードについては、変えたほうがいい理由と、変えたあとに困る理由の両方を見てきました。 このコラムでは、管理者パスワードを変更する理由と、忘れてしまったときに起きること、そして忘れないための管理のしかたをお伝えします。
1. 管理者パスワードとは何か
管理者パスワードは、複合機の大事な設定を変えるために必要なパスワードです。 複合機の設定には、ふだん誰でも使う機能の設定と、管理者だけが変えられる設定があります。管理者だけが変えられるのは、たとえば次のような設定です。
- ネットワークの設定(IPアドレスなど)
- アドレス帳(FAXやメールの宛先)
- スキャンやFAXの転送先
- セキュリティや利用制限の設定
こうした設定は、変え方を間違えると、スキャンが届かなくなったり、FAXが別の宛先に送られたりと、仕事に大きな影響が出ます。だからこそ、管理者パスワードで守られているのです。複合機のセキュリティの全体像はコピー機・複合機のセキュリティ対策とは?でご説明しています。
2. 正論は、他人にわからないものに変更すること
管理者パスワードは、正論を言えば、他人にわからないものに変更することをおすすめしています。 複合機の管理者パスワードの初期値は、メーカーや機種ごとに決まっていることが多く、取扱説明書などで調べればわかる場合もあります。つまり、初期値のままにしておくと、その気になれば誰でも管理者として設定を変えられてしまうおそれがあるのです。
社内の誰かが、悪気なく設定をいじってしまうこともあります。また、ネットワークにつながっている複合機では、外部から設定画面にアクセスされる危険も考えなければなりません。アドレス帳の宛先を書き換えられたり、スキャンの保存先を変えられたりすれば、情報が漏れることにもつながります。個人情報を扱う会社で求められる対策については個人情報保護法で複合機に求められる対策とは?もあわせてご覧ください。
3. 忘れると、エンジニアを呼んでリセットすることに
ただ、変更した管理者パスワードは、忘れられてしまうケースが多いのも実情です。その場合、メーカーのエンジニアを派遣してリセットするなどの対応が必要になります。 管理者パスワードは、ふだんはほとんど使いません。導入したときに変更して、そのあと何年も使わないまま、ということもよくあります。いざ設定を変えようとしたときには、誰も覚えていない、変更した担当者はもう退職していた、ということが起きてしまうのです。
管理者パスワードがわからなければ、管理者の設定は一切変えられません。そうなると、メーカーのエンジニアに来てもらい、パスワードをリセットしてもらう必要があります。すぐに設定を変えたいのに、エンジニアの都合がつくまで待たなければならないこともあります。
実は、パスワードが初期値のままだったおかげで、私たちがご案内してログインでき、助かったというケースもあります。それでも、やはりおすすめは、初期値のままにしておくことではなく、変更したうえで、きちんと管理することです。
4. リセットは、保守の対象外になることが多い
管理者パスワードのリセットは、保守の対象外になることが多くあります。機器の不具合ではないためです。 保守契約は、複合機が故障したときや、部品が消耗したときに対応するものです。パスワードを忘れたことは、機械が壊れたわけではありません。そのため、エンジニアを呼んでリセットしてもらう場合は、保守とは別に費用がかかることが多いのです。
パスワードを忘れるだけで、余計な費用と、設定を変えられない時間が生まれてしまう。だからこそ、変更したパスワードの管理が大切になります。保守で対応できる作業とできない作業の境目は複合機の設定変更は有料?でまとめています。
5. 忘れないための管理のしかた
本当は、パスワードを紙に残すのはよい方法ではありません。ただ、契約書と一緒にしておくなどは有効かもしれません。その場合も、限られた人しか見られないようにしたほうがいいでしょう。 パスワードを紙に書いて、複合機に貼っておくような管理は、変更した意味がなくなってしまいます。一方で、誰の記憶にも残っていなければ、忘れたときに困ります。そのバランスをとる方法として、次のような管理が考えられます。
- 複合機の契約書と一緒に保管する(いざというときに、契約書を探せばたどり着ける)
- 保管場所は、鍵のかかる場所など、限られた人しか見られないところにする
- パスワードを知っている人を、1人だけにしない(担当者の退職や異動に備える)
- 担当者が変わるときは、引き継ぎの項目に入れる
担当者が変わったときに抜け落ちやすい情報は、管理者パスワードだけではありません。引き継ぎで残しておきたいものは担当者が辞めても困らない複合機業者の選び方でご紹介しています。
結論: 変えて、残して、見られる人を絞る
複合機の管理者パスワードは、他人にわからないものに変更するのが正論です。初期値のままでは、誰でも大事な設定を変えられてしまうおそれがあります。
ただし、忘れてしまうと、エンジニアを呼んでのリセットが必要になり、保守の対象外で費用がかかることも多くあります。変更したら、契約書と一緒に保管するなどして記録を残し、見られる人を限っておく。変えることと、忘れないこと。その両方がそろって、はじめて管理者パスワードは役に立ちます。
複合機の管理者パスワードに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 複合機の管理者パスワードは、初期値のままでも大丈夫ですか?
正論を言えば、他人にわからないものに変更することをおすすめします。初期値はメーカーや機種ごとに決まっていることが多く、そのままにしておくと、誰でも管理者として大事な設定を変えられてしまうおそれがあります。
Q2. 管理者パスワードを忘れてしまいました。どうすればいいですか?
メーカーのエンジニアを派遣してもらい、パスワードをリセットするなどの対応が必要になります。まずは販売店や保守の窓口に相談してください。
Q3. パスワードのリセットは、保守契約で対応してもらえますか?
保守の対象外になることが多いです。パスワードを忘れたことは機器の不具合ではないため、保守とは別に費用がかかる場合がほとんどです。
Q4. 変更した管理者パスワードは、どうやって管理すればいいですか?
本来、パスワードを紙に残すのはよい方法ではありませんが、複合機の契約書と一緒に保管しておくのは有効かもしれません。その場合も、鍵のかかる場所など、限られた人しか見られないようにしておきましょう。
Q5. 管理者パスワードは、何人で共有すればいいですか?
知っている人を1人だけにすると、その人の退職や異動で誰もわからなくなるおそれがあります。限られた人に絞りつつ、複数の人がたどり着けるようにしておき、担当者が変わるときは引き継ぎの項目に入れておくと安心です。

