- 複合機の業者では担当者の交代はよくあることです。お客様との癒着を防ぐ意味もあり、交代そのものは悪いことではありません。
- 交代で困るのは、回線、置き場所、特殊な印刷物、社内の事情といった、契約書に載らない情報が引き継がれないことです。「前の担当との約束」が守られない問題もここから生まれます。
- 業者を選ぶときは会社として顧客情報を記録しているかを確かめ、お客様の側でも契約書・見積書に加えて、やり取りしたメールを残しておくと安心です。
見直しの比較材料に:カウンター料金0円のA3カラー複合機 HP E786dn
「新しい担当の方に、うちの事情をまた一から説明しないといけないんです」。複合機の業者で担当者が替わったとき、こうした声をよく耳にします。 私たちは秋葉原の複合機専門店として、業界で40年近くお客様とお付き合いしてきました。担当者の交代は、どの業者でも避けられません。大事なのは、替わっても困らない仕組みが、業者の側とお客様の側の両方にあるかです。 このコラムでは、引き継ぎで抜け落ちやすい情報と、業者を選ぶときに確かめたいこと、そしてお客様の手元に残しておきたいものをお伝えします。
1. 担当者は替わるもの。それ自体は悪いことではない
複合機の業者では、担当者の交代はよくあることです。長く同じ担当者が付き続けると、お客様との関係が近くなりすぎる(癒着)おそれがあるため、意図して担当を替える会社もあります。 リース契約は5年、6年と長く続きます。その間に担当者が異動したり、退職したりするのは、どの業者でも珍しいことではありません。
また、担当者の交代には、お客様と担当者の関係が近くなりすぎるのを防ぐという意味もあります。一人の担当者がすべてを握っていると、その人の判断だけで契約が動いてしまうおそれがあるからです。交代そのものは、健全な仕組みの一部と考えてよいでしょう。問題は、交代したときに何が引き継がれ、何が抜け落ちるかです。
2. 昔より記録は残るようになった。それでも困ることがある
今は多くの業者が顧客管理のシステムを使っており、担当者が辞めた途端に何も分からなくなる、ということは減りました。ただし、システムに残るのは記録できる情報だけです。 ひと昔前は、目の前の商談のことしか考えていない営業も少なくありませんでした。担当者が辞めると、契約の経緯も、お客様との約束も、その人と一緒に消えてしまう。そんなご相談を受けることもよくありました。
今は、顧客管理(CRM)のシステムで商談や契約の記録を残す業者が増え、そこまでひどい話はあまり聞かなくなりました。その一方で、担当者一人ひとりにかかる責任が重くなったこともあり、記録にない場面で機転を利かせて動く営業は、以前より少なくなったようにも感じます。記録が残るようになったぶん、記録に載らない情報がかえって抜け落ちやすくなっている面もあります。
3. 引き継ぎで抜け落ちやすい4つの情報
回線、置き場所、特殊な印刷物、社内の事情。どれも契約書には載らず、担当者の頭の中にだけあることが多い情報です。 特に、地域に根ざした販売店と長くお付き合いしてきたお客様から、「担当が替わってから話が通じにくくなった」と伺うことがあります。長いお付き合いの中で、言わなくても分かってもらえていたことが多いぶん、交代したときの落差が大きいのです。抜け落ちやすいのは、次のような情報です。
| 抜け落ちやすい情報 | たとえば |
|---|---|
| 回線 | FAXの回線の種類や番号、ネットワークの設定、社内の配線の事情 |
| 置き場所 | 搬入経路、設置場所の電源、移動できない理由、作業できる時間帯 |
| 特殊な印刷物 | 決まった用紙、厚紙や封筒、色にこだわる印刷物、決まった仕上げの設定 |
| 社内の事情 | 社長や幹部の方の好みやこだわり、決裁の流れ、連絡してほしい担当者 |
こうした情報は、どれも複合機を問題なく使い続けるために欠かせないものです。担当者が替わるたびに一から説明し直すのは、お客様にとって大きな手間です。
4. 「前の担当との約束」が守られない理由
担当者が替わったあと、「前の担当とはこう約束していたのに」という食い違いが起きることがあります。原因の多くは、約束が口頭だけで、記録に残っていないことです。 「次の入れ替えのときは、この条件でと言われていた」「この作業は無料でやってくれると聞いていた」。担当者が替わったあとに、こうした話が新しい担当に伝わっておらず、守ってもらえないというご相談があります。
前の担当者がその場で口にしたことが、会社の記録に残っていなければ、新しい担当者には確かめようがありません。悪意があるとは限らず、単に知らないだけということも多いのです。だからこそ、次の章でお伝えするように、約束は記録に残る形で交わしておくことが大切になります。
5. 業者を選ぶときに確かめたい引き継ぎの体制
業者を選ぶときは、担当者個人の人柄だけでなく、会社として顧客の情報を記録し、担当が替わっても同じ対応ができる体制があるかを確かめてください。
- 顧客の情報を会社として記録しているか:契約内容だけでなく、設置場所や回線の情報まで残しているか。
- 担当者が不在のときの窓口があるか:担当者が休みや外出中でも、会社として対応できるか。
- 担当が替わるときにどう引き継ぐか:交代の連絡があるか、前任者と連携できるか。
サガスでも、お客様の情報を会社として記録し、担当者が替わっても変わらない対応ができるように努めています。それでも、記録とお客様のお話が食い違うことはあります。そのときは、まずお客様のお話に耳を傾け、どう解決するかを一緒に考えることを大切にしています。前の担当者がまだ社内にいれば、もちろん連携して確認します。
メーカー保守か販売店の自社保守かによっても、担当が替わったときの影響は変わります。保守の担い手については複合機のアフターサービスもあわせてご覧ください。
6. お客様の側で残しておきたいもの。いちばん効くのはメール
契約書と見積書は当然として、今の時代にいちばん効くのは、業者とやり取りしたメールです。日付と内容が残るので、あとから確かめられる記録になります。
契約書と見積書
リース契約書、保守契約書、そして契約のもとになった見積書は、必ず残しておいてください。契約の期間、金額、含まれている機器やサービスを確かめる、いちばんの根拠になります。見積書のどこを見ればよいかは複合機の見積もりチェックにまとめています。
やり取りしたメール
見落とされがちですが、業者とやり取りしたメールは、とても役に立つ記録です。いつ、誰が、何を約束したかが、日付とともに残ります。担当者が替わったときも、メールを見せれば話が早く伝わります。電話や対面で大事な約束をしたときは、「先ほどのお話の確認です」と、内容をメールで送っておくと、それ自体が記録になります。
社内向けの引き継ぎメモ
3章の表にある回線、置き場所、特殊な印刷物の情報は、お客様の社内でも簡単なメモにしておくと便利です。業者の担当者が替わったときだけでなく、社内で複合機の担当の方が替わったときにも役立ちます。
結論: 担当者ではなく、記録とお付き合いする
複合機の契約は長く続き、その間に担当者は替わります。交代そのものは避けられませんし、悪いことでもありません。困るのは、記録に残っていない情報や約束が、担当者と一緒に消えてしまうことです。
業者を選ぶときは、会社として記録を残し、担当が替わっても同じ対応ができるかを確かめる。お客様の側では、契約書、見積書、そしてやり取りしたメールを残し、大事な約束はメールで確認しておく。担当者個人ではなく、記録とお付き合いする。そう考えておけば、担当者が替わっても慌てずに済みます。
複合機の担当者交代に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 複合機の業者で、担当者はなぜ替わるのですか?
異動や退職のほか、お客様と担当者の関係が近くなりすぎるのを防ぐために、意図して担当を替える会社もあります。リース契約は5年、6年と長く続くため、その間に担当者が替わるのは珍しいことではありません。交代そのものより、引き継ぎがきちんと行われるかが大切です。
Q2. 前の担当者と約束していたことを、新しい担当者が知りませんでした。どうすればいいですか?
まずは、約束した内容が分かるメールや書面がないかを確認し、新しい担当者に見せて相談してください。前の担当者がまだ社内にいれば、確認してもらえることもあります。口頭だけの約束は確かめようがないため、今後は大事な約束をメールで確認しておくことをおすすめします。
Q3. 担当者が替わっても困らない業者は、どう見分ければいいですか?
契約内容だけでなく、設置場所や回線の情報まで会社として記録しているか、担当者が不在のときの窓口があるか、担当が替わるときにどう引き継ぐかを聞いてみてください。具体的に答えられる業者であれば、会社として仕組みを持っていると考えてよいでしょう。
Q4. お客様の側では、何を残しておけばいいですか?
リース契約書、保守契約書、契約のもとになった見積書に加えて、業者とやり取りしたメールを残しておくと役立ちます。メールは日付と内容が残るため、あとから確かめられる記録になります。電話や対面で大事な約束をしたときは、内容をメールで送って確認しておくと安心です。
Q5. 担当者が替わったのを機に、業者を替えることはできますか?
保守の契約は業者を替えられる場合がありますが、リース契約は原則として途中でやめられないため、残りの期間や支払いを確認したうえで判断する必要があります。リースの満了が近ければ、満了を機に見直すのが現実的です。契約の仕組みはリース契約完全ガイドをご覧ください。

