- 複合機の営業トークは「今より安くなります」から「もう壊れます」「セキュリティが危ない」へ変わりました。本体価格もカウンター料金も下がりきり、値下げで勝負できなくなったためです。
- 後から「中身を理解していなかった」と分かるのは、複合機本体よりネットワーク機器やセキュリティ機器です。目に見えにくい物ほど、不要な物が紛れ込みます。
- 相手は訓練を受けたプロなので、話の上手さで見分けるのは困難です。その場では決めず、他の業者や取引先にセカンドオピニオンを求めるのが最も確実な対策です。
比較の物差しに:カウンター料金0円のA3カラー複合機 HP E786dn
「この機械、もう中が傷んでいますよ。このままだと近いうちに使えなくなります」。突然やってきた営業や、かかってきた電話でこう言われて、不安になった経験はないでしょうか。 私たちは秋葉原の複合機専門店として、業界で40年近く複合機を扱ってきました。その中で「別の業者と契約したけれど、どうもリース料が高い気がする」というご相談を何度も受けてきました。 このコラムでは、最近の営業トークの傾向と、実際に相談を受けた契約の中身、そしてその場で決めないための具体的な断り方をお伝えします。結論を先に言えば、営業を見分ける眼力を鍛えるより、もう一人に聞く仕組みを持つほうがずっと確実です。
1. 営業トークは「安くなります」から「もう壊れます」に変わった
値下げで勝負する余地がなくなったため、営業の切り口は「お得」から「不安」へ移りました。 ひと昔前、複合機の営業トークといえば「今より月々のコストが安くなります」が定番でした。本体価格にもカウンター料金にも下げる余地があり、乗り換えるだけで実際に安くなるケースも多かったからです。
ところがここ数年で、複合機の本体価格もカウンター料金もかなり底値に近づきました。業者を替えても劇的には下がらない。そうなると、「安くなります」だけでは契約が取れません。
代わりに増えたのが、「その機械はもう壊れかけています」「近いうちに使えなくなります」という切り口です。お得さではなく不安を入口にする営業は、聞く側が冷静さを失いやすいぶん、注意が必要です。
2. よくある3つの切り口は、どれも「見えないもの」を使う
故障・セキュリティ・ネット回線。共通するのは、お客様が自分の目で確かめにくいものを話の入口にしていることです。
(1) 「もう壊れている」「近いうちに使えなくなる」
実際にこう言われたというお客様から話を聞くと、私たちの目から見て根拠になっていないことがほとんどです。機械の中は普段見えません。見えないものについて「傷んでいる」と言われると、確かめようがないぶん不安だけが膨らみます。
もちろん、機械にはメーカーが定める部品の保有期間があり、古い機種では修理ができなくなる時期が来るのは事実です。ただしそれは、今お使いの機械を保守している業者やメーカーに型番を伝えれば確認できることです。初めて来た営業の言葉だけで判断する必要はありません。替えどきを数字で考える方法は複合機の買い替え時期は「年数」では決まらないで詳しくご説明しています。
(2) セキュリティの危険性を大きく言う
「このままだと情報が漏れます」「ウイルスに狙われます」と、危険性を必要以上に大きく伝え、セキュリティ機器やサービスの契約につなげるケースです。複合機にセキュリティ対策が必要なのは本当ですが、どこまでの対策が必要かは、会社の規模や扱う情報によってまったく違います。複合機に本当に必要な対策の考え方は複合機のセキュリティ対策をご覧ください。
(3) ネット回線とのセット
「インターネットが速くなります」と、回線の乗り換えとセットで話を持ち込むケースもあります。回線事業者と提携して販売している業者も多いようです。回線の話と複合機の話が一つの契約にまとまると、何にいくら払っているのかが見えにくくなります。
3. 相談で分かった、中身を理解しないまま組まれた契約
後から「高い」と感じる契約の多くは、複合機本体ではなく、一緒に組み込まれたネットワーク機器やセキュリティ機器が原因です。 私たちが受けるご相談で多いのは、「どうもリース料が高い気がする」というものです。お話を伺い、見積書や契約の内容を見せていただくと、そのお客様には必要のない物が組み込まれていることがよくあります。
目立つのは、ネットワーク機器やセキュリティ機器です。複合機そのものは、お客様もある程度ご存じです。毎日使っていますし、何ができる機械かも分かっている。一方で、ネットワーク機器やセキュリティ機器は、何のための物なのか、本当に自社に必要なのかを判断しにくい。分かりにくい物ほど、見積書の中に紛れ込みやすいのです。
ひどいケースでは、契約に含まれている機器が実際には稼働していなかったこともありました。リース料は毎月払い続けているのに、その機器は動いていない。こうした状態は、見積書と現場の機器を突き合わせて初めて分かります。
見積書のどこを見ればよいかは複合機の見積もりチェックにまとめています。契約前でも契約後でも、一度確かめておく価値はあります。
4. リースは途中でやめられない。だから契約前が勝負
リースは原則として途中解約ができません。不要な物が含まれていると気づいても、選択肢は「残りを一括で払って解約する」か「満了まで払い続ける」の2つです。 気づいたあとに取れる道は限られています。資金に余裕があれば、残っているリース料を支払って解約し、契約を整理する。そうでなければ、満了まで払い続け、その時点で解約して全体を見直す。後者は、正直に言えば泣き寝入りに近い形です。
どちらを選んでも、すでに払った分や残りの分が戻ってくるわけではありません。だからこそ、不要な物を契約しないことが何よりの対策になります。リース契約の仕組みや中途解約の扱いはリース契約完全ガイドで、入れ替えの際に残りの支払いを新しい契約に混ぜ込まれる手口については入れ替えで損しない判断基準で詳しくご説明しています。
5. 見分けるより、その場で決めない。断り方とセカンドオピニオン
営業の話が本当かどうかを、その場で見分けるのはほぼ不可能です。見分けようとするより、その場で決めない仕組みを持つほうが確実です。
相手は訓練を受けたプロ
営業担当者は、話し方も切り返しも訓練を受けています。こちらが疑問を口にしても、上手に答えが返ってきます。話の上手さで良し悪しを判断しようとすると、かえって相手の土俵に乗ってしまいます。
医療と同じように、セカンドオピニオンを取る
病院で大きな手術を勧められたとき、別の医師の意見を聞く。これと同じことを、複合機や周辺機器の契約でもしてください。聞く相手は、他の複合機業者でも、付き合いのある取引先や同業の会社でもかまいません。「こう言われたんだけど、どう思う?」と聞くだけで、話の筋が通っているかどうかはかなり見えてきます。
セカンドオピニオンを頼む相手が見つからなければ、私たちにご相談いただいても大丈夫です。乗り換えを前提にしない、意見だけのご相談も歓迎しています。
断り方は「情報を集めてから返事します」
その場を収める言葉としておすすめなのは、次のような言い方です。
「自分では判断できないので、少し情報を集めてから返事します」
相手の話を否定する必要はありません。決めるのは今ではない、と伝えるだけで十分です。本当に良い提案であれば、数日待っても内容は変わらないはずです。
明らかに不要な物なら、その場ではっきり断る
一方で、明らかに自社に合わない物であれば、遠慮せずその場で断ってかまいません。たとえば、データをほとんど保存しない会社がNAS(ネットワーク上の保存装置)を勧められたようなケースです。「うちはそこまでデータを保存しないので不要です」と言えば話は終わります。何が必要で何が不要かの線を、自社の側で引いておくことが大切です。
6. 電話で機種や月額を聞かれたら、答えても大丈夫か
今お使いの機種や月額を答えるだけなら、それ自体が危険なわけではありません。大事なのは、その後の話にどこまで付き合うかの線引きです。 電話営業では、最初に「今お使いの複合機は何ですか」「毎月いくらくらい払っていますか」と聞かれることがよくあります。これに答えたからといって、すぐに何かが起きるわけではありません。
相手はその後も話を続けるスキルを持っています。答えるかどうかを気にしすぎるより、話の続きに興味が湧いたら聞いてもいい、ただしその場では決めない。この線を最初に引いておけば十分です。
7. サガスが訪問営業をしない理由
サガスは飛び込みの訪問営業をしていません。コラムなどで興味を持ってくださったお客様からのお問い合わせを受けて、そこからお話が始まります。 私たちの営業は、インターネット、メール、お電話でのやり取りが中心です。こちらから押しかけて契約を迫ることはしませんし、お客様に必要のない物はお売りしません。これは会社のポリシーです。
私たちがお伝えしたいのは、選択肢とそれぞれの条件です。そのうえで、どれを選ぶかはお客様に決めていただく。このコラムで「その場で決めないでください」と書いているのも、同じ考えからです。私たち自身も、急いで決めていただく必要はないと考えています。
結論: 決める前に、もう一人に聞く
複合機の営業トークは、「安くなります」から「壊れます」「危ないです」へ変わりました。目に見えない物で不安を与える話ほど、その場では反論しにくいものです。
だからこそ、対策はシンプルです。その場では決めない。決める前に、もう一人に聞く。明らかに不要な物は、その場で「不要です」と線を引く。この3つを守るだけで、中身を理解しないまま何年も払い続ける契約は、かなり防げます。
営業から入れ替えを勧められて迷っているなら、比べる物差しとしてカウンター料金0円のHP E786dnの条件も見ておくと、提案の妥当性を判断しやすくなります。入れ替えの進め方そのものは複合機の入れ替え・移行ガイドでご説明しています。
複合機の飛び込み営業・電話営業に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 「この複合機はもうすぐ使えなくなる」と言われました。本当ですか?
その場では判断せず、今の機械を保守している業者かメーカーに型番を伝えて確認してください。古い機種ではメーカーの部品保有期間が過ぎて修理ができなくなることはありますが、それは確認すれば分かる事実です。初めて来た営業の言葉だけで判断する必要はありません。替えどきの判断は、年数ではなくリース残債と月額差で考える方法が確実です(買い替え時期の考え方)。
Q2. 飛び込み営業で結んだ複合機のリースは、クーリング・オフできますか?
会社や事業のための契約は、原則としてクーリング・オフの対象外です。訪問販売のクーリング・オフは主に一般消費者を守る制度のためです。ただし、個人事業主で事業の実態や契約の目的によっては例外が認められる場合もあります。判断に迷うときは、契約書を手元に用意して最寄りの消費生活センターなどにご相談ください。
Q3. 契約したあとで不要な機器が含まれていると気づきました。どうすればいいですか?
リースは原則として途中解約ができないため、残りのリース料を一括で支払って解約するか、満了まで払い続けて満了時に全体を見直すかの、どちらかになるのが一般的です。まずは見積書と契約書を見直し、含まれている機器が実際に稼働しているかを確認してください。リース契約の仕組みはリース契約完全ガイドで詳しくご説明しています。
Q4. しつこい営業を角を立てずに断るには、どう言えばいいですか?
「自分では判断できないので、少し情報を集めてから返事します」とお伝えするのがおすすめです。相手の話を否定せず、今は決めないとだけ伝えられます。明らかに自社に不要な物であれば、「うちには必要ありません」とその場ではっきり断ってかまいません。
Q5. セカンドオピニオンは、誰に聞けばいいですか?
別の複合機業者のほか、付き合いのある取引先や同業の会社でもかまいません。「こう提案されたけれど、どう思うか」と見積書を見せて聞くだけで、話の筋が通っているかはかなり見えてきます。聞く相手が見つからない場合は、サガスでも乗り換えを前提にしないご相談を承っています。

