- 最近の複合機は省電力が進み、1台置くだけで電源工事が必要になることはほとんどありません。ただし、マンションの一室のオフィスなど契約容量が小さい場所では、ほかの機器との合計でブレーカーが落ちることがあります。
- 延長コードは使えますが、家庭用の細いものは避け、落雷対策のあるOAタップをおすすめします。タコ足配線を避けたい本当の理由は、埃がたまって起きる火災です。
- 電子レンジなど電力を多く使う機器とは回路を分け、湿気を出す機器や環境からは離して置くのが安全です。湿気は故障や紙詰まり、コンセントの火災にもつながります。
設置の検討に:新規導入向けA3カラー複合機 シャープ BP-22C20
「複合機を置くのに、電気の工事は必要ですか?」「延長コードでつないでも大丈夫ですか?」。複合機の導入前に、よくいただく質問です。 私たちは秋葉原の複合機専門店として、業界で40年近く、さまざまなオフィスに複合機を設置してきました。結論から言えば、最近の複合機なら、電源で大がかりな準備が必要になることはほとんどありません。ただし、気をつけておきたい点がいくつかあります。 このコラムでは、ブレーカーが落ちるケース、延長コードとOAタップの選び方、そして見落とされがちな火災と湿気のリスクについてお伝えします。
1. 最近の複合機なら、電源工事が必要になることはまれ
複合機は省電力の設計が進んでおり、オフィスに1台置く程度であれば、電源工事まで必要になるケースはほとんどありません。 ひと昔前の複合機は電気を多く使い、設置の前に電源の容量を心配することもありました。今の複合機は省電力の設計が進み、待機中の消費電力も大きく下がっています。
電源の設計から考える必要があるのは、大量に電力を使う大型の印刷機を何台も入れるような、規模の大きな会社の場合です。一般的なオフィスに複合機を1台置くくらいであれば、電源工事が必要になることはまれです。複合機の消費電力と省エネの考え方はOA機器の節電と省エネでご説明しています。
2. それでもブレーカーが落ちるのは、契約容量が小さいとき
マンションの一室を事務所にしている会社などで、複合機が原因でブレーカーが落ちたことがあります。契約している電気の容量が小さい場所では、ほかの機器との合計を確認しておきましょう。 複合機1台の消費電力は下がっていても、オフィス全体で使える電気の量には上限があります。たとえば、住居用のマンションの一室を事務所として使っている場合、電気の契約が20アンペアなど、比較的小さな容量になっていることがあります。
そこにパソコン、エアコン、電子レンジ、電気ポット、そして複合機が同時に動くと、合計が上限を超えてブレーカーが落ちてしまいます。複合機は電源を入れた直後や印刷している間に電気を多く使うため、ほかの機器と重なったタイミングで落ちやすくなります。
契約容量が小さい場所に複合機を置くときは、同じ時間帯に動くほかの機器との関係を一度見ておいてください。電気の契約容量は、ブレーカーや電力会社の明細で確認できます。
3. 延長コードは使える。ただし選び方がある
壁のコンセントまで届かない場合、延長コードを使うこと自体は問題ありません。ただし、家庭で使う細いものはできるだけ避け、落雷の被害を防ぐ対策がされたOAタップを使うことをおすすめします。 「延長コードでつないでも大丈夫ですか?」と聞かれたら、私たちは「大丈夫です。ただし、選び方に気をつけてください」とお答えしています。
- 家庭用の細い延長コードは避ける:電気を多く使う機器を細いコードでつなぐと、コードに負担がかかります。
- 落雷対策のあるOAタップを選ぶ:雷による急な電圧の変化(サージ)から機器を守る機能が付いたOAタップなら、複合機を雷の被害から守る助けになります。
- 取扱説明書も確認する:機種によっては、メーカーが電源のつなぎ方を指定していることがあります。設置の前に確認しておくと安心です。
なお、リースで使っている複合機が落雷で壊れた場合は、保守ではなく、リース契約に付いている保険の対象になることがあります。いざというときのために、リース契約書で保険の内容も確認しておくとよいでしょう。保険の仕組みは複合機リースの動産総合保険でご説明しています。
4. タコ足配線を避けたい本当の理由は、火災
タコ足配線は、複合機に限らずおすすめできません。省電力化が進んだ今、本当に怖いのはブレーカーよりも、コンセントやプラグに埃がたまって起きる火災です。 タコ足配線というと、電気を使いすぎてブレーカーが落ちることを心配される方が多いと思います。ところが、最近の複合機は省電力化が進んでいるため、それ自体が大きな問題になることは少なくなりました。
それより怖いのは、コンセントやプラグのすき間にたまった埃が原因の火災です。プラグとコンセントの間に埃がたまり、そこに湿気が加わると、電気が流れて発熱し、火が出ることがあります(トラッキング現象と呼ばれます)。タコ足配線をすると、プラグやタップが床や機械の裏にごちゃごちゃと集まり、埃がたまりやすく、目も届きにくくなります。
複合機の裏は、普段なかなか見ない場所です。ときどきプラグの周りを確認し、埃を取り除いておくことをおすすめします。日常の手入れについてはコピー機の寿命を延ばすメンテナンスハックもご覧ください。
5. 電子レンジと回路を分け、湿気から遠ざける
電子レンジなど、電力を多く使う機器とは回路を分けておくのが無難です。また、湿気を出す機器や環境からは複合機を離して置いてください。
電子レンジとは回路を分ける
電子レンジや電気ポット、ドライヤーなど、一度に多くの電力を使う機器と、複合機を同じ回路(同じブレーカーにつながったコンセント)で使うと、同時に動いたときにブレーカーが落ちやすくなります。給湯室の近くに複合機を置く場合は、特に注意してください。
湿気を出す機器や環境から離す
少し電源の話から外れますが、加湿器や給湯の設備など、湿気を出す機器や湿気の多い環境からは、複合機を離して置くのがおすすめです。湿気は、紙が湿って起きる紙詰まりや、機械の故障の原因になります。さらに、4章でお伝えしたように、湿気はコンセントの火災にもつながりやすいのです。設置場所を決めるときは、電源の位置とあわせて、湿気のことも考えてみてください。
6. 設置前の電源チェックリスト
- 電気の契約容量:マンションの一室などで容量が小さい場合、ほかの機器との合計を確認したか。
- コンセントの位置:設置場所から届くか。届かない場合、家庭用の細い延長コードではなく、しっかりしたOAタップを用意したか。
- 落雷対策:サージ対策のあるOAタップを使うか。
- 回路の分け方:電子レンジや電気ポットと同じ回路になっていないか。
- タコ足配線:複合機の電源を、ほかの機器とたこ足でつないでいないか。
- 湿気と埃:加湿器や給湯設備の近くではないか。プラグの周りに埃がたまりにくい配置か。
結論: 容量を確かめ、良いタップを使い、埃と湿気を防ぐ
最近の複合機なら、1台置くために電源工事が必要になることはほとんどありません。延長コードも使えます。気をつけたいのは、契約容量の小さい場所でのほかの機器との合計、家庭用の細い延長コードを避けて落雷対策のあるOAタップを選ぶこと、そして埃と湿気による火災を防ぐことです。
電子レンジとは回路を分け、加湿器などからは離して置く。ときどきプラグの周りの埃を取る。これだけで、電源まわりのトラブルの多くは防げます。
複合機の電源とコンセントに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 複合機を置くのに、電源工事は必要ですか?
一般的なオフィスに1台置く程度であれば、ほとんどの場合は必要ありません。最近の複合機は省電力の設計が進んでいるためです。電源の設計から考える必要があるのは、電力を多く使う大型の印刷機を何台も入れるような、規模の大きな会社の場合です。
Q2. 複合機を延長コードでつないでも大丈夫ですか?
延長コードを使うこと自体は問題ありません。ただし、家庭で使う細い延長コードはできるだけ避け、落雷の被害を防ぐ対策がされたOAタップを使うことをおすすめします。機種によってはメーカーが電源のつなぎ方を指定していることもあるので、取扱説明書も確認してください。
Q3. 複合機を使うとブレーカーが落ちます。なぜですか?
マンションの一室の事務所など、電気の契約容量が小さい場所では、複合機とほかの機器の消費電力の合計が上限を超えて、ブレーカーが落ちることがあります。電子レンジや電気ポットなど、電力を多く使う機器と同じ回路になっていないかも確認してください。
Q4. タコ足配線は、なぜよくないのですか?
電気の使いすぎだけでなく、火災の原因になるおそれがあるためです。プラグやタップが一か所に集まると埃がたまりやすくなり、そこに湿気が加わると発熱して火が出ることがあります。複合機の裏は普段見えにくいので、ときどきプラグの周りの埃を取り除いてください。
Q5. 複合機を置いてはいけない場所はありますか?
加湿器や給湯設備の近くなど、湿気の多い場所は避けてください。湿気は紙詰まりや故障の原因になるうえ、コンセントの火災にもつながりやすくなります。また、電子レンジなどと同じ回路になる場所も、ブレーカーが落ちやすいため避けるのが無難です。

